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妙心寺塔頭「桂春院」静かな侘びの庭を訪ねる

投稿日:2018-10-09 更新日:

露地庭園に詰められた侘び寂びの趣

足早に季節移ろう九月の昼下がり、京都市右京区にある静かな名庭を散策してきた。

JR花園駅をおりて北東に徒歩7分。日本最大の禅寺として知られる “妙心寺” は臨済宗妙心寺派の大本山。 ひとつのまちの様な広大な妙心寺の敷地には実に46もの 塔頭寺院が立ち並んでいます。


妙心寺塔頭  桂春院  “侘びの庭” 

 “桂春院” も 1598年(慶長三年)に織田信長の孫に当たる津田秀則によって創建された “妙心寺塔頭” のひとつです。 史跡であり名勝にも指定される庭園がある寺院として紅葉時期は多くの方が訪れる様ですが、それ以外の季節はとても人が少なく、緑豊かな庭園を静かに愉しむ事が出来ます。

※ 塔頭(たっちゅう)とは、主に禅宗寺院で、祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔や庵などの小院の事。 引用 : wikipedia

4つの庭園と “侘びの庭”

庭園の作庭は、江戸時代初期に “小堀遠州” の弟子でもあり、桂離宮の造園を指揮した 玉淵坊 (ぎょくえんぼう) が手がけたものと推定されており、江戸中期の頃からどうやら名園と言われていた様です。

桂春院の見どころは、まず方丈を囲む4つの庭園。 それぞれに 「真如の庭」 「思惟(しい)の庭」 「清浄の庭」、そして露地庭園 「侘びの庭」 と、趣向の違う4つの庭園が楽しめる様に作庭されています。

方丈の縁側に据えられた長椅子に座って眺める庭園は、辺り一面どこを見渡しても緑一色ですが、紅葉を控えたモミジの葉の鮮やかな緑や、木立の小路に波打つ様に生えた苔の濃い緑など、様々な緑が混ざっていて目を楽しませてくれる。 

また 桂春院は方丈の上から庭を眺めるだけではなく、「真如の庭」や「思惟の庭」の外周庭に足を運ぶことができる。方丈の隅に用意された下駄に履き替えて庭園に出向くと、また違った印象の緑の世界が展開されています。

木々の間から溢れる、ゆるりとしながらも、どこか夏の気配も残した陽光を浴びた地生えの苔が時折、キラキラと輝いているさまがとても印象に残った。

 “侘びの庭” は小さいながらも灯籠や飛び石、茶室「既白庵」へといたる木戸(梅軒門)などが巧みに配置されていて、露地庭園らしい静かな風情を醸し出しています。 また、侘びの庭 に隣接する茶室では、抹茶をいただく事ができます。

1631年(寛永8年)に建立されたという方丈も実に趣があり、4室にわたって障壁画が残されている。障壁画の制作時期は方丈建設と同時期と考えられ、作者は画風から狩野派の絵師 “狩野山雪” の筆によるものとされています。

僕が桂春院に訪れた日は祝日の午後でしたが、滞在中の一時間余り、訪問客は ほんの数組のみ。 混雑を避けた京都の名庭を静かに楽しみたい方にはお勧めできる場所です。

妙心寺には桂春院の他にも一般公開をしている塔頭もいくつかあるので、合わせて一日ゆっくりと回ってみるのもいいと思います。大阪人の僕は、こういう穴場的なスポットを訪れる度に、本当に京都という歴史まちの懐の深さを思い知らされます。

またいつか、年に一回程度公開されるという同院の “隠れ名茶室 既白庵茶室” を是非見学してみたい。 その昔、禅宗妙心寺では詩歌・茶道などは修行の妨げになるとの事で厳禁だった様で、建物の隅に隠れるように茶室を建てて、密かに茶を楽しんでいたといいます。

そんなエピソードを聞くと、いつの世も人の性とは変わらないものなんだなぁ … と微笑ましくもなる。

秋の紅葉を前に、静かな京都を楽しむ事ができた一日でした。

では、また !

今回行った場所

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