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京都・滋賀

「京都 岡崎」明治のカリスマ庭師 “七代目小川治兵衛” の庭めぐり&ちょっと寄り道 DAY TRIP!

投稿日:2017-09-25 更新日:

Hamzo
京都 岡崎へ!

千年の都、京都の町を電車とバスであっち行ったりこっち行ったりぶらぶら散歩。
いやー、京都は何回来ても新しい発見と感動があって楽しいですよねー

ところでみなさん “琵琶湖疏水” って聞いたことありますよね。
聞いたことあるけど、何なのかよく分かんないって方も多いと思いますが、“びわこそすい” とは簡単に言うと「琵琶湖の湖水を京都市内へ流す人口運河」のことをいいます。

第一疏水第三トンネル西口

それだけ聞くと「へーそうなんだ」って感じですが、明治維新や東京奠都(都が東京に移ったこと)を時代背景に、衰退の危機にあった時の京都が起死回生をかけて年間予算の約2倍という巨額の費用を投じて行った、浪漫あふれる壮大なプロジェクトなんです!

疏水好きの僕としては琵琶湖疏水を語るだけで一記事終わってしましそうなので、それはまたの機会として…

その琵琶湖疏水を巧みに取り入れた日本庭園を数多く手掛けたことで有名な一人のカリスマ庭師が居ます。

明治のカリスマ庭師「七代目 小川治兵衛」

「七代目 小川治兵衛」屋号は「植治」

歌舞伎役者みたいでカッコいいですね。
それもそのはず、江戸期宝暦年間より作庭の業を始めた初代 小川治兵衞(おがわじへえ)の名前は、植治の屋号と共に代々の継承者が襲名されています。屋号の由来は木屋の兵衛ってことなんでしょうね。

初代から250年経つ現在も、当代十一代目、次期十二代目がその名前を受け継いで、代々との共同作業を継続されておられます。

明治12年(1879年)に小川治兵衛を襲名した七代目 小川治兵衛は、明治・大正期の最高の庭師であり、“水と石の魔術師” などと評される卓抜した表現力と創造力を備えた人物だったそうです。

七代目植治 肖像  出典:wikipedia

今回は「七代目植治」の手がけた、京都 岡崎界隈の代表的な庭園を寄り道しながらまわって、一日満喫したいと思います。

庭園散策っていうと桜や新緑が美しい春、紅葉の葉が色づく秋っていうのが定番ですが、観光シーズン中の京都はどこもかしこも人だらけで、写真を撮りたい僕的にはちょっと苦手。少しだけ時期とタイミングをずらすだけで、ノイズの少ない静かな時間に出会えます。

名勝 無鄰菴

琵琶湖疏水が開通した明治時代から昭和初期にかけて、南禅寺界隈に数多くの別荘が建てられました。政財界の大物たちが持てる限りの財力と美意識を注ぎ込み建てた別邸群は「南禅寺界隈別荘群」と呼ばれ、現在もいくつかの邸宅が残っています。

明治29年(1896年)に完成した無鄰菴(むりんあん)は南禅寺別荘群の先駆けとして建てたれた、山縣 有朋の別荘のひとつ。長州藩出身の山縣有朋(やまがたありとも)公は、幕末から大正期にかけて活躍された軍人であり、藩閥政治時代の政治家です。

山縣有朋 肖像 出典:wikipedia

「内務大臣」を3度、「内閣総理大臣」を2度勤め、軍人としての階級位階勲等功級爵位は「元帥陸軍大将従一位大勲位功一級公爵」という、もうなんて読んだらいいのかも解らないぐらい偉い方な訳ですね。

無鄰菴の庭園は、有朋公自らの設計・監督により、七代目 小川治兵衛が作庭。 東山を借景とした明るく開放的な芝生空間と、軽快な水の流れを持った回遊式庭園は、明治時代の名園の一つであり、七代目 小川治兵衛の代表作とも言われています。

広々とした敷地内には、数寄屋造りの母屋、庭園の林道から見え隠れする茶室、煉瓦造2階建ての洋館の3棟がバランスよく配置されています。洋館の2階には、江戸時代初期の狩野派による金碧花鳥図障壁画で飾られた部屋があり、ここで日露開戦直前の国外交方針を決める「無鄰菴会議」が開かれました。

母屋一階の主座席では植治庭園を眺めながら抹茶を頂くことができます。なんとも贅沢な時間でございます。さて、初秋の無鄰菴とお抹茶を堪能し次の場所へ参ります。

仁王門通から岡崎通に入り、南禅寺船溜りから琵琶湖疏水記念館越しに、紅葉を控えた東山を横目に歩を進めます。

琵琶湖疏水記念館と東山(南禅寺舟溜り)

京都市動物園を右手に二条通を過ぎたあたりに、いかにも京都っぽい風情の町屋が目に入ります。

昭和レトロな照明店「タチバナ商会」

一見、普通の京町家の外観ですが、「町屋改修のプロが使うあかり専門店」「町屋改修プロ中のプロが通う店」などと書かれた手書き看板が玄関先に掛かっています。僕は町屋改修のプロ中のプロではありませんが、ちょっと気になるのでお邪魔してみます。

店内に入ると、なんとも趣のある照明器具たちが所狭しと天井からぶら下がっています。

大正・昭和初期の照明器具の専門店「タチバナ商会」さん。古くから木屋町で照明器具の問屋をされていた老舗商店で、現在は大正築の町屋を改装したこちらのお店で商いされています。

古いものが大好きで、住宅の仕事に携わる僕にとってはめちゃめちゃ興味深いお店です! 天井付けのペンダント灯や壁付けのブラケット灯など、異なるデザインの器具が、常時1,000点以上揃っているそうです。

店主が本当に気さくな方で、色んな質問に丁寧に答えてくれました。商品は実際に古い民家などで使われていたものを手入れや改良を加えたもの。昔の照明はほとんどが職人さんの手づくりだそうで、現在の工業製品には無いぬくもりや味わいを感じます。

壁に貼られた照明カタログ(当時のもの)も写真ではなく手描きで書かれたものと言うから驚きです。「よかったら2階もどうぞ見ていって」と店主がおっしゃるので、奥の階段から2階へ上がります。

2階には大梁から吊るされた大ぶりのアールデコ照明が数点展示されており、1階の和風照明とはまた少し違った味わい。また、一部屋が昭和レトロ感満載のしつらえになっています。ちゃぶ台に置かれた漫画本や壁に貼られた雑誌広告が昭和の香りを漂わせています。

京町屋の窓から入る光と影のコントラストと、アンティークな照明がつくる屋内の柔らかい光がとてもきれいだったので、店内を数枚撮らせて頂きました。いやー好きだなこの感じ。

店内の髄所に店主のこだわりと温かい人間味を感じる、とてもいい感じのお店でした。また、いつか仕事でこちらの照明器具をお客様にご提案したいと思います。

さて、お店を出て次に参ります。

名勝 平安神宮神苑

平安神宮って、その名前の通り「平安時代の天皇を祀る神社」なので、かなり昔からある印象がありますが、創建されたのはおよそ120年前の明治28年(1895年)。平安遷都1,100年を記念して、遷都を行った第50代桓武天皇を祭神にして建てられました。

平安神宮も琵琶湖疏水事業と同じく、幕末の戦乱による傷跡と東京奠都による失望で目に余るほどの衰退ぶりであった京都が、復活を賭け新しい京都を模索し創建したものです。朱塗りの社殿が美しく雅な雰囲気が漂う社は、なんとなく頭にイメージする「平安京」そのものです。

平安神宮敷地内の神苑は、社殿の建物を囲んで、東・中・西・南の四つの庭に分かれ、約一万坪あまりの広大な庭園となっています。この内、中神苑・西神苑・東神苑の作庭を七代目植治が手掛けています。こちらの庭園も国の名勝に指定されています。

庭園の見どころのひとつである、東神苑 栖鳳池(せいほういけ)を東西にまたぐ泰平閣は、植治の作庭にあわせて大正時代に京都御所から移築したもの。通路の両側に腰を掛けて植治の庭を楽しむことができます。屋根は桧皮葺で、二層の楼閣の頂には青銅の鳳凰がすっくと立っておられます。

無数の睡蓮の円い葉が浮かぶ中神苑 蒼龍池(そうりゅういけ)には円柱形の石が池の中に配された臥龍橋(がりゅうきょう)と呼ばれる飛び石があります。

七代目植治が、この飛び石の橋を渡る人には「龍の背にのって池に映る空の雲間を舞うかのような気分を味わっていただく」ことを意図して設計したとのこと。実は円柱形のこの飛び石は、豊臣秀吉が造営した三条大橋と五条大橋の橋脚が用いられています。

平安神宮神苑には、琵琶湖疏水を引き込んで作られた三つの池とそれを繋ぐ流れがあります。疏水を通って琵琶湖から運ばれて来たのは水だけではなく、様々な生物もやってきました。中には琵琶湖では絶滅の危機と言われているイチモンジタナゴが神苑の池で世代交代しながら生存しているそうです。池を眺めて庭園散策しているとなんだか懐かしい気分にもなりますね。

今日の京おみや

その土地の方に親しまれてきたお店を探して、みやげを買って帰るのも小旅行と言えど楽しみのひとつ。 歴史のある京都は老舗店も多く土産屋を探すのも楽しい町です。

「竹村玉翆園本舗」のお茶

東山堂を出て丸太町通を挟んですぐの所にあるお茶屋さん。竹村玉翆園本舗は大正3年創業の宇治茶の老舗店です。 幅広く取り揃える茶葉の他に、宇治金アイスモナカと抹茶ソフトが有名なお店。お店に入るとお茶のいい匂いがします。

こちらの店主のおじいさんが、めちゃめちゃ話し好きで、お茶をいれて頂いてついつい長話しを・・・

話しをしている間にも、ひっきりなしに地元の方がお茶を買いに来られます。今回は店主おすすめの煎茶を頂いて帰ることにしました。

「本家 西尾」の八ツ橋

竹村玉翆園本舗を出て丸太町通から一本上がるとすぐ見える狸とのれん。こちら西尾八ツ橋の本店でございます。

京都銘菓の定番「八ツ橋」ですが、聖護院・西尾・井筒と3つもブランドがあるのをご存知でした?

しかも京都観光の土産として御菓子を買って帰る人は96%。そのうち45%が八ツ橋なんだって。恐るべし八ツ橋。今回は定番のニッキの「生八ツ橋」を買って帰りました。

まとめ

京都 岡崎は観光スポットが集まる人気エリアですが、四条河原町などの中心街より少しだけ東に外れて位置しているので、観光客は多いもののガチャガチャとした喧騒はなく、比較的ゆっくりと町の散策ができます。

今回は「明治のカリスマ庭師の名庭を鑑賞すること」をテーマにして寄り道しながら歩いてみましたが、今回行ったところ以外にも、京都 岡崎界隈には由緒ある建物や名所、名店がまだまだあります。

これから迎える紅葉シーズンは観光客も多くなりますが、近いうちに今日まわれなかった植治庭園にも行ってみたいと思います。

いやー本当に京都って楽しい町ですね。

では、また!

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今回行った場所

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