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「京都 東福寺」エコモダンな枯山水“八相の庭”と癒しの“写仏体験”

投稿日:2018-02-13 更新日:

Hamzo
What’s “枯山水”?

京都でお寺めぐりをしていると、ちょくちょく目にする“枯山水庭園”

はっきりとした意味も知らずに「やっぱり枯山水って、侘び寂びがあっていいよねぇ...」なんて、渋めのトーンで言ってた わたくし。

なんとなくイメージで分かってても、その定義とかルーツを知ってる方って意外と少ないのではないでしょうか・・?

枯山水は水のない庭のことで、池や遣水などの水を用いずに石や砂などにより山水の風景を表現する庭園様式。  引用:wikipedia

ん、それだけ? って感じですが、その歴史は古く、平安時代には最古の記録が記されている様です。

自然の景観を愉しむ“日本庭園”でよく見られる“池や水の流れ”“海や川”を表現しています。枯山水とはそこから池がなくなり、水を使わないで“石や砂利”などで自然を表現した庭園のことを言います。

砂や石で水の流れを表わす「砂紋」

室町時代に「禅宗寺院」の庭を中心に発展をした枯山水は、決して華美な景色ではなく心を落ち着かせる厳格な空間です。禅の“詫び寂び”の精神といわれる“無駄を省く” “華美ではなく” “静粛に”の工夫が凝らされた趣があるのがその特徴です。

冬が見頃の枯山水⁉︎

自然の景観を愉しむ日本庭園は、新緑が鮮やかな時期や紅葉の季節が美しく見ごろですが、枯山水は心を落ち着かせる事を主意とした空間。

個人的には色鮮やかな季節より、ピンと張り詰めた空気感があって、色も少なく、来たる春を粛々と待つという感じの「冬」という季節柄の方が“枯山水”にはお似合いだと思うんですよねー

二月初頭の京都。早朝の気温が氷点下まで冷え込んだ日、冬の京都を楽しむべく東福寺に赴き、枯山水の鑑賞と写仏なるものを体験して参りました。

重森三玲のエコモダンな枯山水

13世紀の仏教寺院「東福寺」

東福寺があるのは京都市東山区と伏見区のちょうど境目境あたり。鎌倉時代にあたる1255年の完成までに19年の年月を費やした壮大な仏教寺院です。

東福寺 天井画|雲龍図

京都随一の有名な紅葉スポットなので、秋はもんのすごい数の観光客が押し寄せますが、冬の時期は人も少なめ。静かに寺院建築を見学するにはいい季節です。

広い敷地内にいくつかのお堂があって、枯山水庭園があるのはちょうど東福寺境内の真ん中に位置する「方丈」のお庭。こちらの方丈庭園が、禅的思考を取り入れながら、何ともモダンに仕上がった庭園なのでございます。

 “八相の庭”と“重森三玲”

東福寺の方丈は、明治14年に火災で焼失後、明治23年に再建されています。方丈をぐるっと囲むように “東西南北” 四方に配された庭園は、近代の造園家「重森三玲」によって昭和13年に作庭されました。

重森三玲は1896年(明治29年)生まれの作庭家であり庭園研究家。

名前をフランスの19世紀の画家 “ジャン・フランソワ・ミレー”にちなんで、本名の“計夫“から改名しています。キラキラネームの先駆者ですね。庭園を独学で学んだというその作風は、自然に迎合しない前衛的でモダンなものとして知られています。

エコ発想な枯山水

東福寺方丈庭園 “八相の庭”の作庭にあたって、重森三玲に出された条件は「境内にあるものを可能な限り再利用する」ということ。

所謂、一切の無駄をしてはならないという “禅の教え” です。 この制約のなかで重森三玲は、東西南北4方の庭に異なる奇抜なアイディアをちりばめながら、これまでにないエコモダンな枯山水を完成させました。

 東の庭

小さな空間に配された、円柱型の7本の石材。よく見ると“ひしゃく”の形に並べられていて「北斗七星」が表現されています。

この石材は全て、境内にある東司(とうす)=トイレを解体した際に出た廃材。 どういう発想で、廃材となってた礎石を北斗七星に見立てて地面にぶっ刺すに至ったかは分かりませんが、禅的エコ条件からくる建材のリサイクルってやつですね。

南の庭


南庭はおよそ210坪の広大な枯山水庭園。巨石群によって表現された“四神仙島”には、6mもの巨石を寝かせて使用しています。

5つの苔山で表す“京都五山”と、円く描かれた砂紋の“八海”も印象的。

西の庭

西庭は、サツキの刈り込みと葛石(かづらいし)によって表現された市松模様の庭。日本古来の伝統的な市松模様を庭園に表現した斬新なモダンデザインです。

この葛石もリサイクル材で、もともと方丈で使われていた縁石を使用しています。

北の庭

北庭では、西庭から受け継いだ市松模様がさらに細かくなり、徐々に東北方向の谷へと消えていくというストーリー。石が“ぽつり ぽつり”と一石ずつ姿を消してゆく「ぼかし」の手法は、重森三玲が学んでいた日本画からくる発想です。

北庭で使用されている四角い敷石も、勅使門から方丈に向けて敷きつめられていた切石をリサイクルしたものだそうです。

さて、ゆっくり庭園見学したあとは、最近、静かなブームとも言われている「写仏」を体験しに参ります。

勝林寺の“写仏体験”

勝林寺は東福寺の塔頭のひとつで、鬼門方角から大本山を守護する“東福寺の毘沙門天”と言われる寺院です。※ 塔頭(たっちゅう)=禅宗寺院で祖師や高僧の死後、その弟子が師の徳を慕い大寺に寄り添って建てた小院。

こちらの寺院では、神域で自己を見つめる“座禅”や、静寂のなかで御仏の心と向き合う“写経・写仏”を体験できます。今回は写仏を体験させて貰いました。

What's “写仏”?

仏教経典を書写する写経はよく知られていますが、「写仏」は、仏画に描かれた仏さまを写し描くことで、その功徳をいただきます。 仏さまの尊像を写すことは、学僧たちの修行や勉強のために古くから行われていた様です。

“仏さまを写す”って、少し難しそうですが絵心は全く必要なし。仏さまが描かれた下図をなぞるだけので、慣れればさほど難しくはありません。

静寂が流れる部屋で一心不乱に仏さまを写しとり、時折、窓越しに見える外の景色を「ふぅー」と眺めては、また筆を動かす。

初めての経験でしたが、何ともいえない“心の癒し”感じる一時でした。

写した仏さまは奉納することも持ち帰ることもできます。最後にお抹茶を一服頂いて、ほっこり帰路につきました。

まとめ

平日休日、昼夜問わずに人で溢れ、賑やかな“祇園四条”から京阪電車でたった3駅の“東福寺”ですが、観光シーズン以外は比較的静かなお寺です。

13世紀に建てられた美しい寺院「東福寺」には、今回紹介した場所以外にも、是非行ってみたい“塔頭寺院”がいくつかあります。

「光明院」「霊雲院」の庭園も、方丈庭園を手掛けた”重森三玲”が作庭しており、それぞれ独創的な世界観の庭園が楽しめます。また、“雪舟”が作庭したと伝わる鶴亀の庭がある「芬陀院」もおすすめです。

これまであまり深く考えずに庭園鑑賞をしていましたが、作庭に至った経緯やテーマ、ストーリーを踏まえて鑑賞するのは、一味違った楽しみがありました。

日常の喧騒から離れ、仏さまの功徳を少しばかり頂戴した一日でした。

では、また!

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今回行った場所

東福寺方丈庭園 公式ホームページ

勝林寺 公式ホームページ

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