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新型コロナウイルスに感染してわかったホテル療養の現状について

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Hamzo
COVID-19

2021年1月、第三波の新型コロナウイルス感染症に罹患した僕は、感染者のうち「無症状者・軽症者」を対象とした、コロナ感染者専用ホテルでの宿泊療養期間を終えた後、この記事を自宅で書いている。

僕は基礎疾患がある人間では無いが、身の周りに高齢者も居るので、感染症対策には人一倍気をつけていた方だと思う。 人との会食はもちろんの事、緊急事態宣言後には休日の外出も控えていた。

「発症日」と定められた日以前の一週間を振り返っても、どこのタイミングで感染したのかは全く分からない。 もはや、運が悪かったと思うしか無いが、不幸中の幸いで自分が他者に感染させる事は無かった。

今、この記事に目を通している方のなかには、僕と同じ様に新型コロナに罹患してしまった人、ご家族や友人などが感染し途方に暮れている方もいるかも知れない。

軽かったとは言えない約2週間の「コロナ闘病」でしたが、これからホテル療養生活を送る方や、自宅療養との選択に悩まれている方の為に、予備知識や心構えとして読んで貰いたく、自身の経験と所感を記事にすることにしました。

まず最初に、今回の記事は2021年1月に大阪でのホテル療養で僕が経験した事実に基づく内容であるが、今現在、全ての宿泊療養施設が同じ状況とは限らないという事、また、当ブログで直近に公開している記事の訪問先は全て、昨年の2020年に取材した場所であり、僕のコロナ感染とは一切関係がない事を先に述べておきます。

ホテルでの宿泊療養に入る前に知っておいた方がよい事

コロナが治るまでは帰れない

「無症状者」や「軽症者」にとってホテル療養は、退屈という以外は、さほど辛いものではない。何故なら患者自身が動けるし、病状での身体の負担が少ない、もしくは無いからである。

また、症状履歴から保健所によって定められる 「発症日」から10日間が経過し、かつ 72時間(3日間)37.5度以下の体温が続けば「療養終了」 とされ、一応、普段の生活に戻ることが出来る。ちなみに社会復帰にあたりPCR検査は基本的に行わない。この時点で他者に感染させるだけのウイルスが体内に残っていないからだ。

すなわち、無症状者や軽症者の多くはホテル療養開始後、一週間もすれば自宅に戻って普通の生活に戻れるのである。

しかし、37.5度以上の発熱が続いたり、コロナウイルスに起因すると思われる症状が見られるうちは、ホテルから一歩も出る事は出来ない。もしくは、よほど症状が悪くなった場合はホテルから病院へというケースはあるのだろう。

ゆえに、「軽症以上入院未満」の患者は、長期に渡って孤独で不安なホテル療養を強いられる事になるので、それなりの覚悟が必要となる。

具体的には、高熱や酷い咳の症状が見られ、自身の体調以外の事を考える余裕の無い方は、以下の点に関して十分に留意して、自宅療養か宿泊療養かを検討していただきたい。

ホテル療養での医療行為はない

宿泊療養ホテルに医師はいない。常駐する看護士が朝夕の2回、電話で病状の確認をするだけが基本だ。ちなみに僕は宿泊療養期間中に、看護士の顔を見ることは一度も無かった。

またホテルでの薬の処方は一切ない。解熱鎮痛剤や咳止めなどの薬は全てコロナ患者自身の持ち込みとなる。

そもそも、入院する以外は「患者」ではなく「療養者」というカテゴリーなので 「医療行為は出来ない」らしい。このあたりの理屈が本当によく分からない。明らかに「患者」と等しき症状があっても、ホテルや自宅に居る限り、投薬さえして貰えないのだ。

※ 第四波の新型コロナウイルス感染者が急増する大阪府は、2021年4月28日の定例会見で、肺炎治療でも用いられるステロイド薬の処方が一部の療養ホテルでも可能になったことを発表した。

体温やSPO2(動脈血酸素飽和度)の経過観察も、全て患者自身でセルフチェックし、コロナ感染者用の専用アプリに1日2回入力する。所管となる保健所もこのアプリで患者の病状を共有している。

希望すれば病院の医師とオンラインで10分程度の会話ができる。 また、常駐看護士には、容体の変化などを24時間いつでも電話相談する事は可能との事だった。

症状が良くなったり悪くなったりする病気なので、不安に思った事や体調変化は些細な事でも遠慮なく相談したほうが良い。

ホテル療養は自主管理・自己責任が基本

どんなに高熱が出て身体が辛くても、咳が出て苦しくても、部屋の掃除や衣類の洗濯、シーツの交換、ゴミ出し、食事や飲料水の引き取りなど、自分の身の回りの事は全てセルフサービスとなる。

掃除をせずに部屋の衛生環境が悪くなり、病状が悪化しても全て自己責任となる。ホテルの従業員も療養患者を病人として特別扱いはしないし、患者の部屋には絶対に立ち入らない。必要以上に感染者と干渉しないのは当然と言えば当然である。

僕のホテルには無料で使えるコインランドリーがあったが、常に混み合っていたので、身体が辛いなか早朝に起きて衣類の洗濯をしていた。

ホテル療養中は外には出れない

療養期間中は基本的に自分の部屋以外にはどこにも行けない。 僕のホテルでは、原則、部屋の窓も開けてはいけないルールだった。どこでもいいから、外の空気を数分だけ吸わせて欲しいとお願いしたところ、部屋の窓を数センチだけ開けて良いという許可が出た。

このあたりは、かなりの改善を願うばかりだ。1日数分だけでも外気に触れる事が出来ないと、ただでさえ不安で孤独な生活なのに、精神的にもおかしくなってしまいそうになる。

日々、聞こえる音と言えば、他の患者のゴホゴホいう咳ぐらいのもので、テレビをつければコロナのニュースにうんざりするだけ。僕はほぼ毎日、Youtubeと読書で気を紛らわせていた。

自分の部屋以外で許される外出は、日に数回エレベーターに乗って、食事や日用品を取りに一階ロビーに行く時だけである。 エレベーターや廊下などの共用部の清掃が行き届いているとはお世辞にも言えず、埃やゴミがどこかしらに落ちているのも珍しいことでは無かった。

この閉鎖的で精神衛生上よくない環境と苦痛なコロナ病状の日々が続くと、ボディブローの様に気力がどんどん低下していく。

栄養管理も自己責任

療養患者に支給される食事は全てホテル任せになっており、看護士や管理栄養士は一切関与していない。 結論から言って、ホテルの食事だけで一週間以上過ごすのは病人の身体にとって良いとは絶対に言えない。 差し入れありきじゃないと、とても身体が持たない。

しかしSNSの書き込みなどを見ていると、ホテルで提供される食事には地域差がかなりある様だ。 僕が過ごした大阪のホテルでの日々の食事がこちらになる。

すべての写真がそれぞれ一食分の食事となる。

コロナ宿泊療養者の食事について国から予算が手当てされており、一食1,500円 一日4,500円上限という事だが、これらはせいぜい一食300円程度ではないだろうか? 

ここに行政や医療機関のチェックが入らない事が不思議でならない。

ただでさえ体力が落ちているなか、この食事では栄養が偏っているのは一目瞭然で、これらを補うには家族や知人からの差し入れに頼るしかない。 ホテルによっては差し入れ禁止というところもある様なので、必ず入所前に確認しておいた方が良いだろう。

大阪では、2020年8月に50代男性がホテル敷地から強行外出してコンビニに立ち寄るなどし、警察に通報して捜索するなど、宿泊療養からの「脱走事案」が4件報告されている。 いけない事だが気持ちは十分理解出来る。

また、僕のホテルでは、飲み物は500mlの水が1日4本と定められていて、それ以外は自販機なども使えなかった。1日4本の水をどのタイミングで補給するかを病人自身が考えながら過ごさないといけないのである。

但し、希望した場合に限り、ポカリスエットやレトルトのお粥を支給してくれるという措置はあったが、これも食欲低下をこちらから訴えないと看護士やホテル側が事前に教えてくれる事はない。

ホテルと医療の関係性について

宿泊療養患者が置かれる「環境」と「病状」には密接な関係があると思われるが、医療側(医師や看護士)は、ホテル設備についての使用判断や、改善指示などは一切出来ない仕組みになっている。 前述した窓の開閉さえも看護士は判断出来ない。

体調に関する事は「看護士」、環境や設備に関する事は「ホテル」と連絡先も分けられていて、「それは看護士では判断できないのでホテル側に聞いてくれ」と、生活の相談窓口をたらい回しにされる事も少なくなかった。

様々な病状の患者がいる中で、それぞれの患者に適した環境の改善を「医療側」が判断し指導出来ない事に大きな矛盾を感じた。

現在、「中等症Ⅰ」までの患者が、ホテルでの宿泊療養が可となっている様だ。「中等症Ⅰ」といえば、かなりヤバい症状一歩手前の患者である。僕自身も医師とのオンライン会話で、所見によりここに該当すると告げられた。呼吸不全がなくても肺炎を起こしている患者も多い。

医師いわく、緊急事態宣言下における2021年1月末の現在、ホテル療養の20%〜30%が「中等症Ⅰ」レベルの患者だという事だ。そんな状態の患者でも、無症状者と全く同じ様に何のケアもされないのがホテル宿泊療養の現状である。

寒くても毛布一枚も支給されないし、乾燥対策などの身の回りの環境改善も患者自身で行わなくてはいけない。ちなみに僕はかなり食料品や生活補助物資を家族からの差し入れに頼った。感謝しかない。

ホテル療養とは、あくまでもコロナウイルス保菌者を「隔離」する為のものであり、患者の病状改善の為に何らかの施しをしてくれるものではないという事を予め理解しておいた方が良い。

ホテル宿泊療養の費用について

ホテルでの宿泊療養にかかる費用(宿泊代、食事代等)の患者負担は無い。但し、これまでに記載した通り、生活における必要最低限の環境しか与えられないので、家族や知人には可能な援助をお願いしておいた方がいいだろう。

また、ホテル宿泊療養でも医療保険に入っていれば入院補償と同じ扱いとなるケースが多いので、療養終了後には保険会社に契約内容を確認しておこう。

所感とまとめ

厚生労働省通知に基づき、無症状病原体保有者及び軽症患者については、入院措置ではなく「宿泊療養」か「自宅療養」の選択をしなければならない。 下記は、一患者として大阪府下のホテルでコロナ宿泊療養生活を経験した僕の個人的な意見である。

無症状者や軽症者は、家族への感染防止の為にも「宿泊療養」を選んだ方が良いだろう。

しかし、高熱が続いたり寝れないぐらいの症状がありながら「入院以外」と判断された場合においては、しっかりと「隔離」する場所と「ケア」出来る人間が周りに居るのであれば、自宅療養を検討した方が患者自身の身体にとっては良いと思われる。

何故なら、住み慣れた場所の方が、環境変化による体調悪化や不安増加のリスクが少ないからである。 多少の違いはあると思うが、医師不在の環境下で投薬もなし、体温と体調の連絡を自ら報告し、症状が悪化すれば入院の検討を行うというシステム自体はどちらも一緒である。

ホテル療養だからといって、自宅より絶対的に安心出来るという点はあまり期待しない方がいい。但し、同じ様な症状の患者がひとつに集まっているので、容体急変時の緊急対応は自宅療養より早いのかも知れないが、あくまで期待値に過ぎない。

それ以外は、しっかりとした食事を安全に提供できる環境が作れるなら、自宅の方が患者の健康上は良いといえる。

また、体温や病状などは自己申告制で、宿泊療養終了前にも医師のチェック機能が働かないので、なかには、虚偽の申告を行って早く出所するといったやからもいると聞いた。

この辺りの病状管理システム自体に問題が無いのか疑問も感じるが、安心して気持ちよく滞在できる環境下でなければ、このやからたちの発想も致し方ないとも思える。

コロナ特措法改正で、感染者が入所先から逃げた場合の行政罰として「50万円以下の過料」を科すという内容が盛り込まれたが、脱走者への罰則規定を設ける前に、大変な思いをしている患者に対しての「環境改善」を考える方が先である様に思えてならない。

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