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手持ちの「室内撮影」でピンボケ写真を量産しない5つのコツ

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S.L
室内撮影は難しい ?

建築に携わる仕事をしている僕の趣味は建築写真を撮ること。

期間限定で公開される古建築 ・ レトロ建築の “特別公開” とか “特別見学” とかっていうフレーズにめっぽう弱く。 「この機会を逃してはいかんっ !」と、有給休暇を取っては写真を撮りに行くという給料泥棒っぷりを発揮している今日この頃。

1933年 W.M.ヴォーリズ 設計 「神戸女学院」

訪れた先で、一眼レフカメラを携えて一心不乱にシャッターを切り、プレビュー画面を見ては首を傾げている人をたまに見かける。

そうそう、室内撮影って自分が思ってる通りの写真がなかなか撮れないんですよねぇ… 。

屋外より暗くて三脚を使えない状況下で撮る “室内の手持ち撮影” は、慣れない方にとっては少しだけ難しいかもわかりません。僕も建築写真を撮り始めた当初はピンボケ写真、真っ黒け写真、ブレ写真をかなり量産しました。 まぁ 今でもあるけど ♡

でも、ちょっとしたコツと考え方で “没写真を少なくする” 事は出来ます。 これは建築写真に限らず、室内で撮る写真全般に言える事だと思います。今回はそんな手持ちでする室内撮影のコツを5つのポイントにまとめてみました。

① 明るいレンズを選ぶ !

屋外撮影と室内撮影の違いは何と言っても 圧倒的な “光量” の差。 極端な話、光量たっぷりの屋外ならスマホカメラでもそこそこ綺麗な写真は撮れますが、光量の少ない室内などの暗所は「カメラ」や「レンズ」の性能の差が顕著に現れます。

僕は一眼レフカメラの “フルサイズ機”“APS−C機” の両方を撮影で使いますが、やはり室内や暗い場所での撮影には フルサイズ機の方が強い という事は間違いありません。

センサー(撮像素子)がデカい分だけ光を多く集めることができるので、暗所ほどセンサーサイズの大きさがものをいうんですね。

センサー(撮像素子)サイズの違い

しかし、カメラのスペックもさることながら “レンズ” の性能もかなり重要。 手持ちの室内撮影で欲しいのは、なるべく “明るいレンズ” です。

明るいレンズとは “開放F値の小さなレンズ” のこと。 F値が小さい程、レンズの瞳が大きくなって光をたくさん取り込む事が出来るので、光量が少ない状況下でも適正に近い露出で撮りやすくなります。

開放F値が1.4や1.8などの単焦点レンズを使えば、室内でも驚くほど明るく撮る事が出来ます。開放F値2.8ぐらいあれば光量の少ない室内でもあまりストレスを感じずに手持ち撮影が行えます。

また、一般的にカメラレンズは、絞りを “開放F値から2~3段程度絞ったぐらいで全体解像度が一番高くなる” 設計で作られていることが多い 様です。

特定の被写体ではなく、室内空間の端から端までの全体像を “広角域” で撮るなら、ぼやけた写真より全体にキリッとしたシャープな写真を撮りたいですよね。だから手持ち撮影でもギリギリまで絞って撮りたいところ。

“開放F値の小さな明るいレンズ” なら多少絞っても、手持ちでなんとか撮れるシャッタースピードの限界を攻めれますが、これが元々 “開放F値の大きい暗いレンズ” なら、2段も絞ったら、とても手持ちで撮れるシャッタースピードなんかでは撮れないわけです。

んじゃ、ISO感度を上げたら? って話なんですが、上げ過ぎるとザラッとした暗所ノイズが出てしまって、写真にシャープさが無くなっちゃうんですよね。

あくまで僕の印象ですが、ノイズが気にならない上限ISO感度は、フルサイズ機で2000ぐらい、APS−C機で1000ぐらいってところでしょうか。ただ、機種によって違いもあるもで、まずはあれこれ設定を変えて実際に撮ってみましょう。

室内で子供を撮るときも、やっぱり明るいレンズがいい !

室内で子供を撮るときも “レンズの明るさ” がものをいいます。

子供って動きまわるでしょ。じっとしてないし。だからシャッタースピードが遅いとすぐブレちゃうんです。

目安でいうと子供を撮る時は1 / 100秒よりスローなシャッタースピードの設定にはしない方がいいです。 1 / 60秒ぐらいだと、せっかくイイ表情で撮れたと思ってた写真でも拡大したらブレててガッカリ… なんて事もあります。

子供を撮るときは思い切ってISO感度をガッツリあげて撮るか、後から詳しく書きますが、レタッチで露出を持ち上げる事を前提にして、早いシャッタースピードでアンダー気味(暗めの露出)に撮っておくのもいいと思います。

子供を室内で撮ったりする機会の多い方で、キットレンズしか持っていないって方は、是非 “開放F値1.8” の単焦点レンズを買ってみて下さい。劇的に写真が変わりますよ ! んでもって案外、安いんです。

② ピンボケ・ブレ写真の原因はシャッタースピードにあり !

いい感じで撮れた ! と思ってても拡大したらブレててガッカリ… そんな事って結構ありますよねー。

その原因の大半は “シャッタースピード” の設定 にあります。

カメラレンズには手ブレ補正機能が付いているものと付いていないものがあります。 手持ちの室内撮影で手ブレ補正機能はかなり心強い味方になります。 ただし頼りにし過ぎるのは禁物。

自分が使うカメラとレンズのブレないシャッタースピードの限界値を身体で覚えておく事も大切です。

手持ち撮影で写真がブレないとされる限界のシャッタースピードは、一般的に「1 / 焦点距離」秒よりも早いシャッタースピードと言われていいます。 50mmだと「1 / 50秒」  100mmだと「1 / 100秒」

“広角側の方がブレにくく、望遠側の方がブレやすい” って事ですね。 また焦点距離を35mm換算するというややこしい方程式があるのですが、要するに フルサイズ機よりAPS−C機の方がブレやすい という事だけ頭に入れておきましょう。

但し、あくまでもこれは目安の話。使うカメラやレンズ、撮影者の技術の差もあるので、絶対にブレないと言う保証はありません。やはり何枚も同じカメラ・レンズで撮ってみて、体感的に “ブレないシャッタースピード” を覚える方が手っ取り早いと思います。

マニュアルモード撮影に慣れていない方は、ファインダー内に表示されている「シャッタースピード」を意識するだけでもずいぶんブレ写真が少なくなる筈です。

僕は手持ちで撮る場合、ざっくり “1 / 60秒” をひとつの目安にして、それより遅いシャッタースピードで撮る場合は「ブレやすくなる」から気をつけるという風に意識しています。

③ とりあえず沢山撮る ! 拡大プレビューを癖づける !

フィルムカメラの時代は、フィルムが勿体ないから同じカットの写真を何枚も撮る事に躊躇がありましたが、デジタル時代になってからはそんな貧乏性的な迷いは一切無くなりましたねー(笑)

ファインダーを覗いてて「この構図いい感じ !」と思ったら、迷わず同じカットを連写で2〜3枚は撮っておきましょう。1枚だけだと、後から拡大してみたらブレててガッカリなんて事もありますからね。

僕はいい感じの構図や被写体を見つけたら、露出を変えながら “ヨコ構図” と “タテ構図” で数枚は必ず撮っておく様にしています

また、撮影時に余裕があれば “拡大プレビュー” を心がけると良いと思います。 液晶モニターの通常表示では気付かないブレやピンボケも、拡大表示すれば良くわかります。

④ カメラの持ち方でピンボケ・ブレは少なくなる !

シャッタースピードと同じく、ピンボケ・ブレ写真を引き起こす原因のひとつがカメラの持ち方にあります。

正しい構え方や持ち方については、本やネットでたくさん紹介されているのでここでは割愛します。 僕が一番意識した方が良いと思う事は…

● カメラは左手で持つ。右手は添えるだけ。
● 力まないで持つ。やっぱり右手は添えるだけ。

なるべく “右手に力を入れない” 事を意識する事が大切です。 一眼レフカメラは右手側にグリップがあるので、意識しないと右手で保持する様に持ってしまいがち。 右手でカメラを持っていると、シャッターを切ったとき、ひじょーにブレやすくなります。

右手はシャッターボタンを押すだけの役割として、左手でカメラ(レンズ)の “重さを感じて支える事” を意識すれば、自然と力まずに撮る事が出来ますよ。

⑤ レタッチを前提で撮る !  やっぱり沢山撮る !

フィルムじゃなくてデジタル写真なら、いっそのこと “レタッチありきで撮る” という考え方も僕は全然ありだと思います。レタッチとは画像の明るさや色目の補正、汚れの除去といった画像の修整や加工作業のことをいいます。

フィルム時代からカメラを趣味にする人間にとっては 「んなもん、現場で適正な露出で撮るんが写真ってもんじゃいっ! 」というのが本音かも分かりませんが、時間が限られたなかでの撮影なら、いっそ「レタッチ前提 !」と割り切ってもいいんじゃないでしょうか。

時間制限があるなかで「露出を吟味してひとつの構図だけで何枚も撮る」よりも「無難な露出で画角や構図を変えて何枚も撮る」方が、確実にいい写真が混じっている確率は高くなります。

液晶モニターで見たときに「めっちゃ最高 !」と思った写真が、PCモニターで見たら「あら…そうでもないな。」と感じたり、何気なく撮ってた一枚の中に「おぉ ! これいいな」なんていう写真があったりする事ってありませんか?

また、明るさや色目は後から簡単に修正できますが、画角やピンボケは後から修正出来ません。

ブレないギリギリギリのシャッタースピードで攻めて撮るよりも、無難な設定でやや暗めに撮っておいて、レタッチで露出を持ち上げるという方が、確率的にいうと没写真は少なくなります。

RAWで撮っておいて本格的な画像編集ソフトを使えばかなり高度なレタッチが可能ですが、重たいRAWデータを弄って難しいレタッチをしなくても、JPEGデータを超簡単に編集が出来るアプリがあるのでご紹介しますね。

めちゃめちゃ使える無料のレタッチアプリ

こちらの “Photoshop Express” というアプリ。

フォトショの入門版みたいなアプリなのですが、簡単なレタッチならはっきり言ってこれで十分です。

これが本当に無料でいいの? と思うぐらい機能が充実したアプリ。 明るさや色目の補正ならあっという間に出来てしまいます。スマホやタブレットでも直感的に使えるのが素晴らしい。

歪みの補正も出来るので、建物や室内で正確にとる事が難しい “水平” や “垂直” の補正も出来ちゃいます。

知らない人は是非、ダウンロードして使ってみて下さい。

Adobe Photoshop Express

まとめ

室内撮影は屋外撮影と比較するとちょっとだけ難しいと思われがちですが、ちょっとした意識とコツで、ずいぶんと楽しく撮影が出来る様になります。

マニュアルモードで撮影した事の無い方は、意外とそんなに難しくないので是非挑戦してみて下さい。オートモードでは撮れなかったカッチョいい写真が撮れますよー !  

ちなみに室内でのオートモード撮影は没写真を増産する事になります。詳しくは下の記事を読んでみて下さい。

ではまた!

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