
全国1億2千万の幕末ファンの皆様こんにちわ。
“維新三傑” とは倒幕・維新に尽力した幕末の志士、木戸孝允 ・ 大久保利通 ・ 西郷隆盛のこと。 2018年の大河ドラマ「西郷どん」では維新三傑を始めとした、幕末という動乱の時代を生きた名士たちがたくさん出てきましたねー。
日本最強の武闘派集団だった「薩摩隼人」の描き方がドラマではちょっと軟弱過ぎるんじゃね!? なんて声もあった様ですが、個人的にはそれはそれとして、かなり楽しんで観させて貰いました。
Who's “西郷従道” ?
大河ドラマ “西郷どん” では、関ジャニ∞の 錦戸亮 が演じた 西郷従道 。最初はちょっとシュッとし過ぎてて線が細いかなぁ… なんて感じましたが、見てるうちに、偉大すぎる兄を持つ弟役に上手くハマってる様にも思えました。
西郷従道(西郷信吾)は西郷家の三男で、兄の隆盛と15歳離れた実弟です。 隆盛を “大西郷” と称するのに対し、従道は “小西郷” と言われたとか。また「信吾」と呼ばれることが多く、兄の隆盛もドラマでそう呼んでいましたね。
で、実際の西郷従道さんがこちら…
出典 : wikipedia
兄、隆盛の名前が偉大すぎて、あまりメジャーなイメージのない西郷従道ですが、実はかなりの切れ者だった様です。
苦悩のまま逆賊となった兄、隆盛が西南戦争で散り、後の大久保利通の暗殺で元薩摩藩士の超重鎮が次々に亡くなった後も、従道は薩摩出身のキーパーソンとして明治政府で数々の要職に付きます。
文部卿・陸軍卿・農商務卿・海軍大臣・内務大臣・貴族院議員を歴任するなど、藩閥政治時代とはいえ、めちゃめちゃ優秀な人物であったことが分かります。 総理大臣候補にも名前が何度も上がり、明治天皇からも薦められたという。
しかし、逆賊として散ってしまった人間の兄弟が、日本のトップになるわけにはいかない… という理由から断り続けたとか。
旧西郷従道邸
旧西郷従道邸 は、従道が東京上目黒の自邸内に接客のために建設した2階建ての洋館です。明治前期の洋館として残された数少ない建築遺構のひとつ。 現在は重要文化財として愛知の明治村に移設されています。
以前、明治村に行った時の写真を整理していると、そーいえば、なかなか良い趣きの家だった事を思い出したので、何枚か綴っておこうと思います。
この洋館の設計は、当時、在日していたフランスの建築家 レスカースという方の手によるもので、日本人の大工棟梁とのタッグで完成させたそうです。
内部の建具類や階段材、建築金具や装飾品の多くはフランスから直輸入したものが使用されています。
この洋館のスタイルは当時のフランスで見られた住宅の典型だそうですが、当時の日本人の目にはありえないぐらいハイカラに見えた事だと思う。 また、金属板葺きの軽い屋根材の使用など、地震国日本の事情に添った工夫もされているのが面白い。
明治天皇を始め、多くの人を招いて接客したと言われているこの邸宅。 建築装飾もさることながら家具類の調度品がこれまたなんとも良い味を出していて、建築物のポテンシャルをグッと上げている。
ホール・居間・応接室・食堂・書斎・寝室などに配されている家具類、調度品の多くは、鹿鳴館や赤坂離宮で使用されていたものが「当時、この様に家具調度を設えたであろう」 という想像のもとコーディネートされています。
住宅建築の仕事に携わっていてよく思うのは、やっぱり家っていうのは単なる “箱” であり “器” であって、その中に置かれるものや飾るもので印象が全く変わるってこと。
いくら高価な建材を使用した家でも、家具や調度品とのバランスが悪ければ落ち着かないし、全く飾り気のない普通の家でも、その部屋に合ったセンスの良い家具がさり気なく配置されていれば、居心地の良さを感じる事ができる。
旧西郷従道邸は、明治期の偉人たちが過ごしたであろう空間が見事に再現された、とても居心地の良い建築だったと思います。明治村に行かれた際には是非お立ち寄りを。
では、また !
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今回の記事で行った場所
旧西郷従道邸 (明治村内)