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京都

路地王国「上京区 西陣」まぼろしの珈琲と蜂蜜を求めて路地裏を行く!

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S.L
What’s RO-JI ?

京都のまち歩きが大好きな僕は、iPhoneのグーグルマップを片手に目的地へと向かって通りをテクテク歩ている刹那、ふと足を止めてしまう事がよくある。

“路地”“図子” と呼ばれる、通りから奥に伸びる細い路にバッタリ出会い、いったいこの奥には何があるんだろう? 私有地っぽいし、地図にも載っていないけど、この先にひょっとしたら見た事もない文化財や隠れた名店なんかがあるかも知れない…

そんな思いに駆られて、キョロキョロしながら恐る恐る、細ーい路地に歩を進めてゆく。そんな経験をしたことがある人って、意外と多いんじゃないでしょうか?

路地の定義とは?

路地の定義をあれこれと調べてみましたが、“人と自転車のみが通る事ができて車が入って来ない道路” とか “地図1/2,500の縮尺に載っていない道路” とか “幅員が3m未満のもの” とか、色々と諸説がある様ですがはっきりとした定義は無いようですね。

京都市東山区 「あじき路地」

「人家の間の狭い道路」というのがいちばんしっくりくる表現だと思うのですが、京都で “ろじ” とか “ろーじ” という場合は、狭い道路のなかでもプライベートな道を指すことが多いようです。

路地と図子

狭い道路はひとくくりに路地と総称されるのことも多いのですが、大きく2種類に分けられます。通りから入り途中で行き止まりになっているのが “路地”

路地は途中で行き止まり

路地は基本的に行き止まりですが、向こう側の通りまで貫通させて、通り抜けが出来るように開放した道を “図子” と言います。「厨子」や「辻子」と書くこともあります。

図子は通り抜け可

路地も図子も形は様々で、真っすぐな直線型・L字型・T字型・かぎ型など。その町が出来てった過程で色んな形になっていったんでしょうねー。 地図で見つけた面白い形の路地を描いてみました。下の4つ、全部京都市にある路地や図子です。

京都の路地はなぜできた?

平安京のまちづくりは中国の都市計画を参考にして、“碁盤の目状” に道路を通す「条坊制」が採用されました。商業が発展する中世以降、条坊制で区切られた「区画」ではどうも大きすぎて、生活に不便を感じ始める人たちが増えてきます。

「こんなおおきい区画やったら、どないもこないも使い勝手が、良ぉありまへんわぁ。もっと、住みやすぅて、行き来もしやすぅするために、狭くてもええさかい、道をもっと ぎょうさん通しておくれやす…」と、誰かが言ったかどうかは定かではないが、そこに住む人たちが暮らしやすさを求めて出来ていった「生活道路」である京都の路地。

京都市には幅4m未満の道が1万本以上あると言われています。



路地王国 “京都市上京区” !

平安京の内裏があった “上京区” はもともとの「区画」が大きかったこともあり、京都市内の半数の図子が集中して存在しています。道路名や町名になってるところも多いですね。

京都市上京区は僕が心から崇拝する “安倍晴明公” をお祀りする「晴明神社」があることや、 “西陣” の静かでどこか懐かしい町風情が好きという理由もあり、本当によく足を運ぶ京都のまちのひとつ。

先日、晴明社奉拝後に、上京区の有名路地から西陣のまちを歩いて、謎多き路地カフェまで散歩して来ました。

三上家路地

紋屋図子の中ほど、北へ細く伸びる路地が “三上家路地”  。昔ながらの西陣の雰囲気が色濃く残っています。

三上家路地は名前のとおりこの路地の一番奥にある西陣の織元「三上家」が所有する路地。江戸時代の西陣織職人が住んでいた築130年長家が連なり、風情ある佇まいをみせてくれます。

かつて西陣織職人が住んでいた両側に連なる長家跡には、現在は建築家や陶芸家といった作家さんの生活の場となっている様です。

蜂蜜専門店ドラート

三上家路地のなかにある “蜂蜜の専門店” ドラート(dorato)さん。

お店に入ると無数のガラス瓶のなかで琥珀色の蜂蜜たちが光輝いております。

希少な国産から世界各国の珍しいものまで、季節限定で販売しているものも合わせると60種類ぐらいを扱っているそうです。

砂糖や保存料などの添加物が一切使われていない純粋な花の蜜だけの蜂蜜との事で、気軽に試食させていただけます。実際に何種類か試食をさせて貰いましたが「蜂蜜って、花の種類でこんなにも味が違うもんなんだねぇ…」って、齢四十過ぎにして新たな発見がありました。

安心で安全なもの販売するために、実際に養蜂家さんを訪ねたり、そこでどんな蜜が採れるのか、蜜源などから調べるという、店主さんのこだわりを感じるお店です。調べると神戸にもお店があるみたい。

試食した中から気に入った「アボガド」の蜂蜜を買って帰りました。いつも食べてるヨーグルトのレベルが確実に数ランク上がりましたね。。またリピしたいお店です。

紋屋図子から上立売通へ歩を進めると、「本隆寺」とその境内を四方に取り囲む、名物の “瓦塀” が見えてきます。せっかくなのでよーく見ながら歩いてみましょう。

本堂の瓦の葺き替えの際に、出た古瓦を再利用して土壁に埋め込んで施工しているのですが、よく見ると四周ともデザインが異なっています。

外塀も、ちょっとした工夫で日本の建築風情を感じる、趣きのある仕上げになるものですね。ちなみに本隆寺の本堂は令和5年まで7年間に渡る、大改修工事中でございます。

まぼろし小路東入ル “エントツコーヒー舎”

本隆寺から5分ぐらい西へ歩いていくと、屋根から赤いエントツが顔を出した小さなお店が現れます。“まぼろし小路”と名付けられた狭路をクネクネと歩いた先に辿りつくのは「エントツコーヒー舎」なる隠れ家カフェ。

元々、映画関係の仕事をされていた店主が造り上げたカフェとあって、映画のセットさながらの内装と、面白仕掛けが満載の店内。

狭くて細長ーい店内には、いつ行っても隠れ家カフェファンがいらっしゃいます。雰囲気と設えだけではなく、自家焙煎の珈琲がとても美味しくて、ほっこりと時間を忘れて寛げるのがいいところ。

独特な世界観を持つ路地カフェの店内には、色んなところに店主さんが作った面白ポイントが仕掛けられています。北野天満宮からも歩いて10分ぐらいなので、上京区のまち歩きコースには入れておきたいお店です。

まとめ

今や世界一の観光都市である「京都」。京都の町には無数の路地があり、エリアによっては「路地」そのものが観光資源にもなりつつある様にも思います。

それ自体は悪いことでは無いと思うのですが、私有地の路地に無神経な観光客が我が物顔で、どやどやと立ち入っては、大きな声で話したり、記念写真をワイワイ言いながら撮ってる、なんていうシーンを最近よく見かけます。

先日も石畳で有名な石塀小路で、そこに居を構える方と、私有地に無断で入ったであろう観光客が言い争っているのを見かけました。



路地は観光客にとっては、もの珍しい場所ですが、そこに住むひとにとっては、あくまで暮らしのなかにある「生活道路」。マナーや常識を守るのが、府外の僕たちが京都のまちを楽しませて貰う最低限のルールだと思います。

僕は「大人な路地ファン」の一人として、これからも数多く出会うであろう京都の路地に、敬意と注意を払いながら、遠慮深ーく、歩を進めてゆきたい。

では、また !

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今回行った場所

三上家路地「ドラート」 ホームページ

エントツコーヒー舎 関連サイト|食べログ

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