スマイルログ

SMILE LOG

スマイルブログ

室内撮影をする時に使うレンズや気をつけた方が良い6つの事

投稿日:2018-07-09 更新日:

Hamzo
建築写真 !

建築に携わる仕事をしている僕の趣味は建築写真を撮ること。

なかでも、大好きな歴史的建造物や趣のあるレトロ建築に訪れて、写真という限られた四角い枠内に、それらが持つ空気感や佇まいを収めていくのが何よりも楽しい。

京都島原 | 角屋

などと、いっぱしの事を言っても、いかんせん僕は素人のカメラマン。写真やカメラについての知識は、カメラを弄り倒したり、仕事でご一緒させて貰ったプロカメラマンの撮影テクを見よう見まねして身に付けたものなので、自信を持って「こういう風に撮るのが正解!」なんて、大それた事は決して言えませんが…

ただ、こうして拙い写真でもWEB公開していると、写真に関する質問やコメントをちょくちょく頂く様になりました。

今回は、僕が仕事の一環でインテリア写真を撮ったり、休日にカメラを持って建築写真を撮りに行ったりする時に、なんとなく意識している事や、室内撮影時に使用するレンズについて記事にしてみました。

一眼レフカメラでの撮影を前提にして書いていますが、ミラーレスやコンデジで撮る時も基本的には同じことが言えるんじゃないかな、とも思います。同じ趣味を持つ方やインテリア写真を素敵に撮りたい!と思っている方の参考になれば幸いです。

① 水平・垂直は “基本のき”

室内の建築写真を撮る上で、必ず気を付けたいのが “水平”“垂直”

水平ラインが斜めになっていたり、垂直ラインがハの字や 逆ハの字になっているだけで、一気に写真が素人っぽくなってしまいます。

まぁ、素人だから楽しけりゃいいのですが、どうせならシュッとした写真を撮りたいですよね。

撮影条件が許すなら “三脚” をしっかり立てて “水準器” を使って水平垂直を取りましょう。一眼レフカメラの中級機以上には水平計が内蔵されているのでそちらを使用します。

手持ち撮影でも タテのライン(垂直)を意識するだけでずいぶん写真が変わります。一眼レフでもミラーレスでも、ファインダーやバックモニターに “方眼” を出せるモードが付いているので、建築写真を撮る時には表示させておけば非常に便利です。

水平垂直をめっちゃ気にして撮った写真

(左)光の教会 (右)旧グッゲンハイム邸

② 出来る限り自然光で撮る

自分で撮影シュチュエーションをコントロール出来る屋内撮影であれば、極力、照明は消して “自然光” だけで撮影します。理由は最も自然な雰囲気の写真が撮れるから。

昔のインテリアカメラマンは、部屋の隅々まで明るく綺麗に写すのがミッションで、ストロボをバンバン使って撮っておられましたが、最近のインテリア雑誌などを見ていても自然光だけで撮っているものが多く、あえて窓際の白とびのハイライトもアクセントにしながら、自然光のフワッとした柔らかさを巧く使った写真を良く見かけます。

何より照明器具の明かりというのは、必ずしも写真にとって良い光源という訳ではありません。 好みにもよりますが、照明を全部付けてギラギラと明るくして撮ったた室内写真より、窓から入ってくる自然光だけで撮った写真の雰囲気の方が柔らかい自然な印象になります。

ちなみにカメラに内蔵されているフラッシュは不自然な影が写り込むので使用しません。基本は “三脚” を立ててシャッタースピードで露出を稼ぐようにします。薄暗い室内でも、シャッタースピードを遅くすれば、案外明るく撮る事が出来ます。

自然光だけで撮った写真

(左)旧新田小学校校舎 (右)旧グッゲンハイム邸

③ 広角レンズは必須。でも頼り過ぎたくない

建築写真や屋内のインテリア写真を撮るうえで欠かせないのが、やはり 広角レンズ 。 初めて広角レンズを付けてファインダーを覗いた時の「うぉーー! スゲー入る!!」っていう驚きは今でもよく覚えています。

部屋の端から端まで、きっちりと収める事が出来る便利なレンズ。建築物の外観を撮る時は、無意識に広角レンズを付けていてる事が多いかな。建物の奥行きとか壮大な感じを描写するのには欠かせないレンズです。

僕が使っている広角レンズは、フルサイズ機種で “15–30mm”  APS-C機種で “10−20mm”の 画角の広角ズームレンズ。 ワイド端(一番広角側)で撮ると、どうしても ※樽型の歪曲収差 が目立つので、なるべくワイド端では撮らない様に意識しています。 ※樽型歪曲収差…中央から外側に向かって樽型に膨らんだように見える現象のこと。

ちなみに、広角レンズだけではなく “ズームレンズ” (寄ったり引いたり出来るレンズ)は安価なレンズ程、一番 広角側と一番 ズーム側で歪みが出やすくなっている事が多い様です。

画像編集ソフトのフォトショップなどで後から補正も出来ますが、面倒くさいので、なるべく撮影時に抑えておきたいですね。 「自動ゆがみ補正」機能がついているカメラならONにして使いましょう。

広角レンズは端から端まで、きっちりと撮れてサイコーなのですが、どうしても “説明的” な写真(記念写真的?な感じ)になりがち。 若干、面白味に欠けるので僕は室内の写真を撮る時には必要以上に広角は多用しない様にしています。

限りある見学時間での室内空間撮影では、広角レンズを使うのは最初に数枚、部屋の全景を撮るだけにしています。

広角レンズで撮った写真

(左)大阪教会 (右)大阪市中央公会堂

④ 明るいレンズで空間を切りとりたい

僕が個人的に好きなのは、その場の空気感とか雰囲気を切り取った写真。

端から端までを広角レンズで撮るよりも、標準域の明るいレンズ で空気感とかディテールを “切り取る” のって結構難しいけど、その日の撮れ高に一枚でも、その場の雰囲気が感じられる様な「空間を切り取った」写真が交じっていたらめっちゃ嬉しい。

明るいレンズとは、一般的にf値の小さい “単焦点レンズ” の事を言います。f1.8とかf1.4とかっていうレンズですね。小難しい説明は抜きにして、単刀直入に言うと “描写力” がひじょーに高いレンズです。

解放付近ではボケ味のある写真が撮れるし、絞ればキリッとしたシャープな解像を結びます。

僕はフルサイズ機種で “50mm” APS-C機種で “35mm”の 画角の単焦点レンズを室内でも良く使います。この画角のレンズは 標準レンズ と言われていて、人が何かを眺めている時の視野と同じだそうで、最も自然な見え方の写真が撮れるのが特徴。

でもこの標準域の画角ってやつは、かなり写る範囲が狭いので、室内では部屋の全体像を撮る事が出来ません。しかも単焦点レンズは全くズームが効かないという曲者なので、自分が前に行ったり後ろに行ったりして構図を決めないといけません。

なので、自ずと “何をどう” 撮りたいのか? をきっちりと決めて撮らないと没写真を量産してしまいます。まして、単焦点レンズには手ブレ補正が付いていないので、上手く撮れたと思っていても、家に帰って拡大して見てみると「どこにもピントが合ってないやーーん!」なんてことも良くあります。

画角も狭くて扱いにくいレンズなので、手持ちでの室内撮影にはやや不向き感がありますが、それでもこの1本は期待を裏切らない必須レンズとして必ず出番を与えます。

標準域の単焦点レンズで撮った写真

(左)(右)河井寛次郎記念館

⑤ 室内撮影の露出モードと測光モードについて

室内撮影をする中で、この辺りが一番の難所かもわかりません。僕もここらの仕組みを理解するのにずいぶん時間がかかりました。

室内撮影の露出モード

一眼レフカメラを持っていても、普段からオートモード(カメラ任せ)でしか撮影しない方は、「なんで 室内ってこんなに薄暗ーく写るの?このカメラ馬鹿なんじゃない!?」なんて一度は思った事があるはず。僕も昔はそうでした。

結論から言って、室内撮影にオートモードは向いていません。実はカメラって人間が思っているほど賢く無いんですよね。 1秒間に10コマ以上の写真が撮れる時代になっても、カメラの仕組みは意外とアナログなんです。

カメラの露出の基準というのは未だに “白黒カメラ” と同じで、カメラが導き出す “適正露出” というのは黒と白の中間の “グレー色” 

なので、カメラ任せのオートモードで撮影すると、部屋が明るければ明るいほど、白ければ白いほど、カメラはグレーに近づけようとするので “写真は見た目より暗く” なり、逆に 暗ければ暗いほど、黒ければ黒いほど “写真は見た目より明るく” なります。

オートモード以外で撮ったことのない方は、まずは “絞り優先モード” で撮影するのがいいと思います。ニコンカメラならAモード、キャノンならAvモードですね。

絞り優先モードであれば “露出補正” が出来るので、一枚撮ってみて暗いと感じたらプラス補正、明るいと感じたらマイナス補正する。これでずいぶん見た目と近しい写真が撮れるはずです。慣れてきたらマニュアル撮影に挑戦してみましょう。

室内撮影の測光モード

“測光” とは、被写体の明るさを測ることをいいます。 被写体の明るさはカメラに内蔵された「測光センサー」が自動で測ってくれますが、画面内のどの部分の明るさをどのように測定するかは撮る人間が決めてあげないといけません。

それをカメラに指示するのが “測光モード” です。

より詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。

測光について | NIKON

広角レンズなどで室内の全体を撮る時は “全体測光(マルチパターン測光)” で問題ないですが、窓際で撮影する時や、単焦点レンズでディティールを切りとっていく際には “スポット測光” に切り替えて、ピントを置く被写体で測光する様にしましょう。

 窓際でスポット測光をして撮影した写真

(左)京都府庁旧本館 (右)きんせ旅館

⑤ 旅先の建築スナップに三脚は不要? ISO感度について

旅行先で建築物を撮るときは三脚立てれない事が多いでしょ、そもそも、室内は三脚NGってところも増えてますしね。でも写真やってる人間の性として使用がOKなら三脚立てて撮りたくなりますよね。

時間無制限であれば、しっかり三脚を構えてじっくりと構図を選んで撮っていきますが、そんなシュチュエーションは本当にごく稀。 なら、割り切って三脚はここぞという時しか使わないという選択も有りかなと思います。

最近の一眼レフカメラは常用感度も高いので、そこそこISO感度を上げて撮っても、素人レベルで気になる事はありません。ISO感度を上げると、シャッタースピードも速くなるので手ブレせずに明るい写真が撮れるようになります。

やや暗い室内であれば ISO感度800 程度。それでも手ブレしたり暗すぎる場合 1,000〜1,600 程度までなら上げてもOKです。

また、多少暗く撮れてしまったとしても、後から画像編集ソフトで露出を持ち上げる事が可能なので、まずは手持ちでもピンボケしないシャッタースピードに設定してしっかりとブレない様に撮る事が何より重要だと思います。

それでは、楽しいカメラライフを!

今回 使った写真を載せている記事

「光の教会」Church of the Light|大阪 茨木市の閑静な住宅街にひっそりと建つ安藤忠雄の名建築

光の教会(茨木春日丘教会)は大阪府北部の丘陵地、茨木市にある ...

続きを見る

神戸塩屋の可愛い洋館「旧グッゲンハイム邸」から青い景色を眺めてみる

海と山に挟まれた小さな街「塩屋」 東西に長-く伸びる六甲山脈 ...

続きを見る

大阪最古の木造校舎「旧新田小学校」でノス​タルジーに浸ってみる

1970年に開かれた日本が世界に誇る大イベント、大阪府吹田市 ...

続きを見る

「大阪教会」ヴォーリズが大大阪に残した素晴らしき教会建築

大大阪(だいおおさか)と近代建築 大正後期から昭和初期にかけ ...

続きを見る

「京都 島原」 日本最古の花街を歩いて、遊郭建築と100​年の珈琲を堪能する

千年の都、京都の町をあっち行ったりこっち行ったりカメラ片手に ...

続きを見る

「河井寛次郎記念館」昭和の名陶工が暮らした登り窯のある住まい

みんな大好き“清水寺” 親鸞のお墓がある“大谷本廟” 牛若丸 ...

続きを見る

現役最古の官公庁舎「京都府庁旧本館」は光と影と桜がめっちゃ綺麗な近代建築だった

待ちに待った春が来て、訪れる歴史的名建築にも数々の彩りが添え ...

続きを見る

-スマイルブログ

Copyright© SMILE LOG , 2018 All Rights Reserved.