賀茂神社
京都が三方を山に囲まれた盆地に発達した 「千年の都」 であることは良く知られていますが、京都市がどれぐらいの広さなのかをご存知の方は案外少ないかも知れない。
観光客で賑わいを見せる市街地は “京都市” のほんの一部で、北部の丹波高地から、比叡山の山岳地帯まで、実はとても広いんですよね京都市って。
大阪市の面積 223k㎡ に対して 京都市は 828k㎡ と3倍以上も大きく、実はあの広大な琵琶湖よりも広いのです。
地図で見ると、右京区と左京区が思ってる以上に広い事がわかりますね。
歴史情緒ある京都市中心部のまち歩きも楽しいですが、京都の本当の見どころは市街地の中より、むしろ周辺地域に多く点在しているな… と思う事がよくあります。
右京区にある鬱蒼とした杉林の中に佇む 京北 賀茂神社 。 市街地の観光ついでに、バスや電車で気軽に行ける様なところではありませんが、京都市中心部から車で約1時間かけて行ってみるだけの価値はあると思います。
京北の賀茂神社
京都市北区の上賀茂神社、左京区の下鴨神社は、両社共に神話の時代から存続し、京都最古といわれるほどの歴史を誇る神社です。しかし、この 「上賀茂神社」 「下鴨神社」 という名前は通称名であって、正式名称ではありません。
上賀茂神社は 「賀茂別雷神社」 、下鴨神社は 「賀茂御祖神社」 というのが正式名称です。元々は上社と下社を総称して賀茂神社と呼ばれていました。
今回訪れた右京区の杉林の中にひっそりと佇む、京北の 賀茂神社 も創建から1,000年以上経つといわれる古い神社ですが、上社・下社の賀茂神社との関係性や創建等の由緒は不明との事。
しかし、祀られている御祭神は、上賀茂神社と同じ 「賀茂別雷」 なので、歴史を辿っていくと、数百年という流れのなかで繋がる時があるのではないだろうか?
上賀茂神社、下鴨神社共に パワースポットとして有名ですが、境内に漂うスピリチュアルな雰囲気は、京北 賀茂神社も負けていない。いや、むしろロケーション的には、こっちの方が霊験あらたかな気さえする。
山肌に沿ってなだらかに続く石段の中腹に立つ一基の鳥居。 鬱蒼とした杉木立の間を一直線に開いた参道は日中でもやや薄暗く、苔むしている。社殿の前に鎮座する2体の狛犬が参拝者を迎えます。
賀茂神社 社殿と狛犬
この辺りは冬季の雪も深い様で、社殿は覆屋の中に建てられています。 覆屋の中には三社が祀られており、向かって左が賀茂神社、同右の社殿には貴船神社と熊野神社が合祀されています。中央の小さなお社は稲荷神社との事です。
この辺りの森は古くから 「はたの森」 と呼ばれていたそうですが、数百年の間、この賀茂神社の光景はあまり変わっていないのかも分かりませんね。
京北 賀茂神社
京北の賀茂神社へのアクセスは車が必須となります。 石段の麓まで車で行けますがグーグルナビでは近くまでしか案内してくれません。
細い山道を進むと 獣害防止柵 があるので、そちらを開けて参道まで進みます。獣害防止柵からさほど遠くありませんが、柵は絶対に開けっ放しにせず、都度閉めることを忘れない様にしましょう。
蕎麦美庵 物見遊山
さてさて・・・
賀茂神社参拝に合わせて一緒に来ることをお勧めするのが、右京区にある一軒のお蕎麦屋さん。
せっかく車を走らせて山奥まで来たのだから、美味しいものを食べて帰りたいですよね。
蕎麦美庵 物見遊山 は賀茂神社から車で10分ほどのところにある小さな蕎麦屋。福井産の蕎麦粉で打った十割蕎麦が看板メニューなのですが、昼のランチメニューがおすすめです。
1,500円の蕎麦付きのセットメニューは、味、ボリューム共に非の打ち所がなく、コスパがかなり良い。市内中心部の小洒落た蕎麦屋なら倍の値段を取られてもおかしくないと思う。
店主さんが石川県で修業された方の様で、タイミングが合えば金沢の郷土料理を戴けます。手打ちの十割蕎麦もさることながら、治部煮もかなり美味しかった。
いや、つくづく京都というのは懐の深いまちである・・・ では、また!
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今回行った場所
賀茂神社
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