古くから篠山名物と言われる “猪肉” ですが、丹波篠山で捕獲される猪が旨いとされる理由は篠山付近の特徴的な気候風土にある様です。
「山獲」の猪肉
冬はめちゃめちゃ冷え込むけど、さほど雪が多いわけでも無い。また、猪の主食は木の実や穀物が多いので、山の幸に恵まれた丹波篠山は、年中を通じて猪たちが豊かな餌を求めて走りまわる事ができる恰好の餌場。
豊かな山の恵みを餌にする事で、美味しい猪が育つのだそうです。
秋から冬まで狩猟が解禁されるこの時期は、猪肉を味噌仕立てで煮た「ぼたん鍋」を食べる機会もたまにありますが、正直、猪肉とかジビエってちょっと苦手だったんですね・・・
ジビエとは?
ジビエとはフランス語で「狩猟によって獲られた野生鳥獣の肉」のこと。野鳥や鹿に猪、熊や野ウサギにタヌキまで、とにかく “野生のもの” というのがその定義となります。
最近はジビエ料理を売りにしているお店もずいぶん増えましたが、ハンターが獲った野生鳥獣も半飼育のものもジビエと表記されている事が多い様です。
また、ジビエはくせがあってくさいものという先入観は、仕留めた後の処理が不適切だったり、弾のあたりどころが悪く肉の状態がよくなかったりするジビエが多く横行していた弊害もあるみたいですね。
丹波篠山市のすぐ隣の三田市に、店主自らが山に入り狩猟してさばくジビエと、手打ちのこだわり十割蕎麦を美味しく頂けることで有名な “山獲(やまどり)” というお店に行ってきました。
正直ですね、今まで食べた猪肉の概念を覆す旨さでしたよ・・はい。
三田駅から篠山方面へ北に車を走らせて15分。今回は篠山城跡の散策へ行く道中に「山獲」さんに立ち寄りました。
十割そば処 山獲
テレビや雑誌にも取り上げられる事の多い山獲さんは「十割蕎麦」が看板メニューのお蕎麦屋さん。
そして、もうひとつのお店の売りが、店主自らが狩猟時期に山に入りハンティングするジビエという位置づけの様です。
辺りを里山と田園風景に囲まれた山小屋風の店先には、野性味溢れるマタギチックなしつらえがされております。
広ーい駐車場とお店のある建物の間にデッカイ檻が無造作に置かれていて、数匹の可愛らしいウリボー(子供の猪)たちが檻のなかを元気よく走りまわっております。
檻には「この子たちは3月に山にかえします」という貼紙が・・・ 色々と心配や詮索をする人が多いんでしょうね(笑)
里山ジビエと十割蕎麦
店内も外観同様に山小屋テイストの雰囲気のある内装。 窓からのどかな三田の里山風景を望みながら、山の幸を頂けるという趣のあるロケーションです。
今回は、猪肉と十割蕎麦のセットメニューを頂くことに。ジビエは「猪」「鹿」「雉」の三種から選べますが、季節や猟の具合によって変化がある様です。「猪」は基本的に一年を通じてのメニューとの事。
猪肉は七輪の炭火で炙っていただきます。
人生初の 焼き猪 !
正直、噂半分であまり期待はしていなかったのですが、いやいや・・めちゃめちゃ旨かったっす。
猪肉の臭みは全くなく脂も全く癖がなし。塩で頂くのですが、ただただ肉と脂の旨味がじゅわーっと口に広がる感じ。
親の代からの鉄砲撃ちで、20歳から山に入り狩猟を始めたという店主。 聞くところによると、鉄砲で獲物を仕留める際に弾を打ち抜く角度や場所、また獲物のさばき方や処理の方法で肉の臭みが減り、旨みの高い肉なるのだそうです。
ジビエの先入観がぶっ飛んで、概念が変わる旨さだと思います。
こちら看板メニューの十割蕎麦。
十割蕎麦とは小麦粉などの「つなぎ」を一切使わずに、蕎麦粉だけで打った蕎麦のこと。つなぎを使わずに蕎麦を打つのは難しいんですよね。
こちらの蕎麦は甘皮まで挽きこんだ全粒粉で打ったワイルドな太麺蕎麦。
お塩で食べて蕎麦本来の旨みを味わってから、天然の山わさびをたっぷり入れたそばつゆにつけて頂きました。
まとめ
「せっかくの美味しい山の幸を、もっと知ってもらいたいという想いから店を始めた」という店主。
京阪神から丹波篠山方面へ遊びに行かれる際、旅のプランに入れて間違いないお店だと思います。 三田や丹波篠山には、地元愛に溢れた素敵なお店がたくさんあるのも魅力のひとつ。
里山の自然の恵みを贅沢に頂いた休日の昼下がりでございました。
では、また!
今回行った場所
十割そば処 山獲
(定休日)木曜日
(営業時間)11:30~14:30 / 17:00~21:30
山獲の関連サイトリンク(食べログ)
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