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丹波焼のまち「篠山 今田町」焼物&グルメロードを歩く!里山 DAY TRIP

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S.L
丹波焼の里へ !

みなさん、唐突ではございますが “日本六古窯” って聞いたことありますでしょうか ?

陶器・焼物好きの方なら良くご存知だと思うのですが、日本古来の陶磁器窯のうち中世(平安末期から室町時代ぐらい)の古い時代から、現在まで生産が続けられている代表的な地域と窯のことをいいます。

瀬戸焼(愛知)  常滑焼(愛知)  信楽焼(滋賀)  越前焼(福井)  丹波焼(兵庫)  備前焼(岡山) の6つの地域を指すのですが、 “きっと恋する六古窯” という何とも可愛らしいネーミングで 日本遺産 にも登録されています。

丹波焼の里「篠山市 今田町」

今回は日本六古窯のひとつ丹波焼の里、兵庫県篠山市は 今田町こんだちょうという焼物のまちをカメラ片手にのんびり散歩して、篠山の秋を満喫してきました。

兵庫県篠山市今田町

今田町は丹波地方の最南端にあって、大阪から車なら1時間ちょい、電車とバスでも1時間半ぐらいで行けちゃう近さ。春は鮮やかな新緑、夏には蛍が舞う川、秋は美しい紅葉の山々、澄んだ空気と豊かな自然に溢れ、日本の原風景が広がるおだやかな町です。

秋の虚空蔵山

ちょうど僕が行った11月中旬が紅葉のピークだった様で、篠山市と三田市の境にある虚空蔵山こくぞうさんの紅葉がとても綺麗でした。 虚空蔵山は気軽にハイキングが楽しめる山で、森林浴を楽しみながらのんびり歩くにはおすすめの山です。

やきものロードをゆく!

丹波焼は “立杭焼” “丹波立杭焼” とも言われ、その歴史はなんと800年。 起源は平安時代にまで遡るといわれています。現在も 約60軒の窯元 があって、たいていの窯元にはお店やギャラリーが併設されていて、訪ねると作り手さんから色んな話を聞かせて貰えたりします。

今回、雑誌などにも取り上げられている、なんかイイ感じだな-と思う窯元を何軒かまわって写真を撮らせて貰いました。 陶器メインの写真というより窯元のお店やギャラリーの雰囲気を撮らせてもらった写真が多いので、作品のアップが少なめなのはご容赦下さい。

窯元マップと、記事の最後に各窯元のホームページリンクを貼っておきますので、気になった方は是非覗いてみて下さい。

まず「最古の登窯」へ!

まずは今田町に現存する丹波焼の登窯 “最古の登窯” を見学して丹波焼の何たるかについてお勉強。

丹波焼 最古の登窯

丹波焼は日用雑器を主体とした陶器です。飾り気のない素朴な形や色合いがその魅力とされています。丹波篠山では鉄分を多く含んだ陶土が採取され、丹波焼は “登窯” という山の斜面を利用した窯で焼成されます。ちなみに明治28年に築窯された最古の登窯の長さは47mもあります。

登窯による焼成は1,300度の高温で約60時間かけて行われますが、その工程で窯の燃料である薪の灰が器に降りかかります。その灰が釉薬と混ざって溶け合い、表情豊かで個性的な一品づつ異なる模様や色を持った器が生まれます。

これが “灰被り“ と言われる丹波焼の大きな特徴です。

また、釉薬の種類や装飾技法に変化が多いことも丹波焼の特徴で、それぞれの時代に生まれた技法で多彩な変化をとげています。現在も窯の数だけの色んな丹波焼があって、どこの窯元もとても個性が豊か。

それでは窯元をまわってみましょう !

昇陽窯

昇陽窯 は、初代の大上 昇氏から窯を引き継いだ、二代目の大上 裕氏と三代目の大上 裕樹氏のお二人が、日々作陶活動をされている窯元さんです。

陶工房はかなり高台にあり、工房横には二代目の作品展示家屋が、敷地内を上がって頂くと初代大上氏の展示家屋があります。丹波の土の質感を活かした独特の幾何学模様のような表現が魅力の三代目大上 裕樹氏の作品も多く展示販売されています。

高台の展示家屋の窓から望む里山の雄大な景色を見るだけで癒される感じです。今回は工房も少しだけ拝見させて頂きました。

コウホ窯

「やきもの通り」という、窯元が軒を並べる路地沿いにある コウホ窯 。こちらの四代目 市野 吉記氏のギャラリーはとても明るくてお洒落な雑貨店のよう。

素朴ながらどこか温かみを感じる作品とギャラリーの雰囲気がしっくり馴染んでいます。ベトナムから伝わった焼き物の技法「安南手」の器などを作陶しておられます。

俊彦窯

コウホ窯から少し高台に登ったところにある 俊彦窯 。「器を見せて下さーい」と声をかけると、おかみさんが丁寧に作品の展示部屋を案内してくれました。

丹波に伝わる伝統的な形の器、日々食卓で使う器を真摯に作り続ける俊彦窯は、作陶歴50年になる大ベテランの清水俊彦氏とご子息の剛氏が作陶する窯元さんです。

とても味のある器で、お茶まで淹れて下さいました。ごちそうさまでした !

末晴窯

メインストリートの県道292号線沿いに工房とギャラリーがある 末晴窯 は、西端 正氏と春奈さんの親子2代で作陶されている窯元さん。春奈さんの作品は、金魚や椿などをモチーフに描く女性らしい感性の絵付けが可愛くて特徴的。

大雅工房

真っ白な漆喰壁、風合いのある昔ながらの土壁に洗い出しの土間。そこに調和するように飾られた作品や器たち。海外でも評価される市野 雅彦氏の 大雅工房 のギャラリーは建物や空間全体にアートな雰囲気が漂っております。

展示されている市野氏の重厚な作品と対極的な、青や黄色などポップでカラフルな色合いの丹波焼が印象的。「使い手を意識しながら、使い勝手が良くて多くの人に使ってもらえるものを作りたい」との思いで、今の時代にあった丹波焼を考案されたそうです。

里山ごはんとレトロなカフェ

豊かな自然に育まれた今田町は美味しい水とお米、新鮮で安全な野菜がいつも手に入るのも大きな魅力。今田町には地元の食材を使った料理を出してくれるお店や、古い建物を利用した居心地のよいカフェがいくつかあります。

いやー、よく歩くとお腹もよく空くのでございます。

卵かけご飯専門店「玉の助」

2015年にオープンした、 玉の助 のメニューは、三田高原の平飼い鶏の新鮮卵と丹波産のコシリカリを使った「卵かけご飯」とおかずは1~2品のみ。にもかかわらず、お昼時はすんげー行列でございます。

餌にもこだわって育てられた生産量が少ない平飼いの鶏の新鮮卵はめちゃめちゃ味が濃厚。その卵を、炊き立ての丹波産コシヒカリにかけて、卵かけご飯用にブレンドしたオリジナル醤油を垂らしていただきます。あまり並ぶのが好きではない僕も、並んでよかったと思えるお店でした!

colissimo “コリシモ”

歴史のある古い建物が大好物。
そんな僕が一度は来たかった コリシモ は、町の子供たちが集う今田小学校の目の前に建つ築70年を越える2階建ての木造家屋。

ここは、かつて町の人々の通信を支えるため、1943年(昭和18年)に建てられた 今田郵便局の局舎 でした。長い年月を経てその役割を終え、消えゆく危機にあった今田郵便局でしたが、近年、新しいオーナーによってカフェ&ギャラリーとして生まれ変わりました。

もちろんコンバージョン(用途変更)にあたって、内部はリノベーションされていますが、昔ながらの趣は失わないように工夫して作られています。外観に至っては、ほぼ昔のままじゃね?ていうぐらいで、知らずに前を通っただけではカフェとは思えない風貌。

でも、これが古きモノを残して次世代に繋ぐリノベーションの正しいあり方だと、建築屋の端くれの僕は思います。その時代の匂いや空気感を味わいたくて訪れた歴史的建造物がきれいに改修されていてがっかりすることもしばしば。

コリシモの扉を開けると、昔の郵便局の受付そのままのカウンターが出迎えてくれます。ここに並んだ当時の人々の姿が目に浮かぶよう。

そんな趣のある空間でオーナーが淹れてくれた珈琲と、フォンダンショコラなる40半ばの僕には普段、あまりご縁のない甘ーくて美味しいデザートをいただきました。よく歩くとこれまた甘いモノが美味いんすよね。

また2階はギャラリーとして使用されていて、さまざまな芸術作家さんの展示会などが随時開催されております。今田町は丹波焼というモノ造りが古から行われてきた風土もあってか、近年、クリエイターが多く移住しているそうです。

構造現しにした無骨な天井と、白を基調としたモダンな意匠のコントラストがなんともイイ感じ。僕が行った日は「消しゴムはんこ」の作家さんがワークショップを開いておられました。

まとめ

篠山市のはしっこの町を「歩いて」「見て」「食べて」。秋の今田町を満喫した一日でございました。

こころよく写真撮影をさせて頂いた窯元のみなさま、本当に有難う御座いました! ど素人カメラマンの僕の写真では、十分に作品の魅力が伝わらないかも分かりませんが、その辺りはお許し下さいませ m(__)m

以外と近くて、人も少なく自然とアートと歴史と食を楽しめる「今田町」。これから寒い季節になりますが、歩いて回ってみることをオススメします。

では、また !

今回行った場所

最古の登窯

昇陽窯 ホームページ

コウホ窯 作品関連ページ

俊彦窯 作品関連ページ

末晴窯 作品関連ページ

大雅工房 ホームページ

玉の助 関連ページ

colissimo|コリシモ ホームページ

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