
北アルプスの山々に囲まれた飛騨高山。古の住文化を伝承する茅葺き屋根合掌造りの雄々しい民家が今も尚、幾棟も建ち並ぶ世界遺産の白川郷。
飛騨高山 白川郷
ふらっと週末にでも行きたいなぁ白川郷。。なんて思う初夏のポカポカ日和。
でも、日本の原風景が色濃く残る、岐阜や長野まで行くのはちょっと遠いですよね。
日本各地の古民家が大集合し、古き日本の原風景のワンシーンをなかなかリアルに味わえる屋外博物館が大阪府下にあるのをご存知でしょうか?
しかも意外と知られていないので、人もめっちゃ少なく、隠れたお散歩スポットなのでございます。
日本民家集落博物館!
大阪府豊中市の服部緑地公園の一角にある日本初の屋外博物館「日本民家集落博物館」。
入館して貰うリーフレットには日本語で “むかしのおうちはくぶつかん” 英語で “OPEN AIR MUSEUM OF OLD JAPANESE FARM HOUSE” とあります。
海外のガイドブックなどによく掲載されている様で、外国人の方も多く見学に来られております。あと、コスプレ写真を茅葺き民家を背景に撮ってる諸君もちらほら。あの人達って結構いいカメラ持ってんだよねぇ・・・
約36,000平方メートルの敷地(甲子園球場の全体面積ぐらい)に、北は岩手県の “南部の曲家” から南は鹿児島県の “奄美大島の高倉” まで、日本の代表的な民家や長屋門、蔵など12棟を展示しているというもの。
南部の曲家
実はこの博物館、オープンは1956年(昭和31年)と60年以上前からある古ーい屋外博物館なんです。
敷地内の建物のほとんどは江戸時代に建築され、移築前の昭和30年代まで実際にその地の人々が生活を営んでいたもので、それぞれの地方の風土や習慣から生まれた暮らしの知恵を感じることができます。
また四季折々の花々や草木の自然が、茅葺民家の田舎風景を際立たせています。
点在する主だった民家では、建物同様に年季の入った係の方々(ボランティアなのかな?)が、詳しくなかを案内してくれます。囲炉裏を囲んで、外人さんに一生懸命おうちのことをご説明されている年配のガイドさんにほっこり。
穏やかな初夏の一日、カメラ片手にお散歩がてら、古き良き日本の住まいを訪ねてきました。
印象に残った民家の風景を写真で幾つかご紹介。
初夏の茅葺き農村散歩!
ベッドタウンのど真ん中にあるとはは思えないような、農村の風景がうまく再現されています。
パッと見た感じは個々にあまり変化の少ない印象の茅葺き民家ですが、各土地の気候風土や習慣に合わせて様々な工夫がなされています。
昭和29年から40代の僕らが生まれた頃まで続いた日本の高度経済成長期を背景に、住居も “スクラップアンドビルド” という考えのもと、建てては壊すという時代に入ります。
多数の伝統民家は荒廃し、それらの保存のために造られたというこちらの博物館。ある意味、日本の文化遺産の宝庫ではないでしょうか。
ラスボスの風格 “飛騨白川の合掌造り民家”
敷地内で堂々たる風格と佇まいをみせるのは「飛騨白川の合掌造り民家」。写真ではスケール感が分かりずらいのですが、その大きさは他を圧倒しています。
かつての白川郷では30人から40人の家族が一緒に住む “大家族制度” が一般的でした。せまい耕作地が相続によって細分化されることを防ぐために、結婚できるのは長男だけだったそうです。
その結果として、一つの住居に長男以外の子供や、親族、使用人たちも多数暮らす形となり、力をあわせて農業や家内工業に精を出したとのこと。だから、こんなに大きいんですね。
新緑の翠色をいっぱい含んだ初夏の明るい光が、漆黒の床材に反射するコントラストがなんとも美しかったのがとても印象的。現在も現役で使われている囲炉裏を囲んで、地域の方々が談笑する姿が微笑ましくもなぜか懐かしく感じる光景でした。
まとめ
静かで落ち着いた雰囲気の古民家博物館。交通の便も良いところですが意外とマイナーなので訪問者も少なく、落ち着いてゆっくりと散歩ができます。僕みたいな古建築好き人間じゃなくても十分楽しめると思います。
服部緑地公園内には梅林やバラ園などもあるので、博物館だけでなく公園内をゆっくりと散策するのもおススメです。
館内では民家の解説だけではなく、昔話を聞く会、お茶会、体験教室などのイベントが頻繁に催されているので、興味のある方はホームページをチェックしてから行かれてみてはいかがでしょうか?
では、また!
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今回行った場所
日本民家集落博物館 公式ホームページ
開館時間 | 9:30~17:00 ※入館は16:30まで
休館曜日 | 毎週月曜日(振替休館あり)
入館料金 | 一般500円