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悠久のアーバンリゾート「旧甲子園ホテル」でモダニズム建築を嗜む

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Hamzo
悠久のリゾートホテルへ !

お洒落で閑静な住宅街というイメージが強い “阪神間” と呼ばれるまち。

大阪で生まれ育った40代の僕が、幼少の頃もっていた阪神間のそれは今と少し違って、“王子動物園” や “宝塚ファミリーランド” “阪神パーク” といった遊園施設がたくさんあって、とてもワクワクするレジャーのまちというイメージでした。

今回の記事は、40代の僕たちが生まれるずっと前のおよそ90年前に阪神間の地に建設された、夢のリゾートホテルのお話しです。

旧帝国ホテルとその設計者たち

近代建築界の巨匠 “フランク・ロイド・ライト” 

日本の建築美に感銘を受けた、ライトが京都宇治の世界遺産 “平等院鳳凰堂” をモチーフに設計したと言われる「旧帝国ホテル本館」は、近代名建築のひとつとして有名ですよね。

旧帝国ホテル 本館

耐震性に優れた構造や、意匠に妥協を許さなかったライトの完璧主義は大幅な予算オーバーを引き起こし、それに端を発し経営陣との衝突が続いたライトは、このホテルの完成を見ることなく解任され帰国します。

旧帝国ホテルの建設はライトの解任後、日本でのライトの一番弟子、 遠藤新 (えんどうあらた) の指揮によって継続され、1923年(大正12年)に竣工しました。

左から 遠藤新・F.L.ライト・林愛作(帝国ホテル総支配人)

出典 : wikimedia commons

完成記念披露宴が開かれるその日、関東大震災が東京を襲い、周辺の多くの建物が多大な震災被害を受けるなか、ほとんど無傷で変わらぬ姿を見せていた帝国ホテルはひときわ人々の目を引いたといいます。

東の帝国、西の甲子園

大正から昭和初期にかけて、かつては大大阪と呼ばれ、一大商都として発展を遂げた “大阪” と、明治時代の開港以降、西洋との貿易を中心とした独自の文化によって発展した港湾都市 “神戸” 。

二つの都市に挟まれて、独自のモダニズム文化を開花させた阪神間の地に “東の帝国ホテル・西の甲子園ホテル” とまで称された、一大リゾートホテルが建築されました。

旧甲子園ホテル(甲子園会館)

旧帝国ホテルの竣工から7年後に誕生した “旧甲子園ホテル”

設計を手掛けのは、先述したライトの愛弟子である 遠藤新 

時のリゾートホテルは西宮市と尼崎市の境を流れる武庫川の畔りに、夏の涼風を想定して建てられました。

建築デザインはF.L.ライトのそれにもよく似ていますが、随所に日本的な伝統美が取り入れられ、壮麗な洋風建築の空間と巧みに調和しているのが特徴的。

旧甲子園ホテル「一階廊下」

1930年(昭和5年)に甲子園ホテルとして華々しく開業すると、皇族や国内外のVIPがここに訪れ、また富裕層の人々の社交の場として、晩餐会や舞踏会が連日催されていたそうです。

しかし、この建物が、ホテルとして機能したのはわずか14年。その後、海軍病院・米軍の将校宿舎を経て、昭和40年、武庫川学院が譲り受け教育施設として再生しました。現在は武庫川女子大学 建築学科の校舎として利用されています。

豊かな外観意匠

まず、特徴的な建物外観。
そのディテールの豊かさは、甲子園会館の大きな魅力です。

アールデコ文様の壁面彫刻や幾何学的なデザインの浮き彫り、褐色のタイルとレリーフテラコッタ、淡路産の和瓦など、見る者の目を楽しませてくれます。

そんな豊かなデザインを併せ持ったこの建物は、今まで数々の映画やドラマ等のロケ地としても使われています。

建物内部の装飾も、外観に負けず、味わい深くて魅力的。

エキゾチックな内装

打出の小槌から懇々と水が湧き出す様を表した、泉水(せんすい)や、開業当時、舞踏会などが開かれた市松格子光天井の西ホール。

シャンデリアのような黄金色の彫刻は、水玉が降り注ぐようすを表現しています。

武庫川女子大学 建築学科のスタジオも見学させて頂きました。このようなロケーションで建築の勉強ができるのは最高の環境ですね!

とどめの泰山タイル

最後に見学したアートショップの床には、近代建築にはお馴染みの、味わいある泰山タイルが敷き詰められています。

ここの泰山タイルは非常に保存状態もよく、ホテルが開業した年数が描かれていたり、TAIZANの文字が刻まれていたり、遊び心を感じる仕上がりになっていて、近代建築ファンは必見です。

まとめ

甲子園会館(旧甲子園ホテル)は、事前予約制で見学可能です。

時の阪神間の歴史を感じながら、日本に現存する数少ないライト様式の建築美にふれてみるのはいかがでしょうか?

では、また!

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今回行った場所

旧甲子園ホテル(甲子園会館)※見学は予約制
公式ホームページ

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