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京都

「旧竹内栖鳳邸」THE SODOH から眺める京都東山の紅葉

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S.L
竹内栖鳳せいほうの御屋敷へ!


THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO

京都の紅葉ハイシーズンと言えば何処も彼処も混雑し、SNSで有名になった “紅葉映え” スポットに至っては、場所によってかなり高い拝観料を取ったりする。

世界遺産の清水寺や、高台寺、八坂神社などの、超メジャー観光スポットが点在する東山エリアの ど真ん中 にある 旧竹内栖鳳邸をコンバージョンした “THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO” は、京都の隠れた紅葉名所と言ってもいいでしょう。

リーズナブルな価格で地産食材の旨いランチを楽しめて、広大な敷地と東山を彩る紅葉をゆっくりと楽しめる。 更に店員さんのホスピタリティマインドも高く、かなりお勧めできる 歴史的建造物レストラン です。

旧竹内栖鳳邸 “東山艸堂ソウドウ


THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO

多くの人で賑わう祇園の花見小路から東大路通りを超えて、八坂の搭を横目にしながら二寧坂へと向かう。

東山の山麓にあたるこの界隈は、江戸末期から大正時代にかけての町家と石畳が一体となった、所謂いわゆる 実に京都っぽい街並みが保存されたエリアで、祇園や上賀茂と共に、文化庁の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。


京都市東山区「二寧坂」

二寧坂沿いには京町家が軒を連ね、美しい風景が満喫できるスポットとして有名ですよね。

昼間は観光客でごった返しているのが常でも、日が暮れる時分には人影も疎らになり、しっとりとした京情緒が味わえる。

ちょうど、一念坂 を過ぎて 寧々ねねの道 へと出る辺りに、若干の威圧感さえ覚える昔風情の大きな木製の門戸があり、門前の傍には “竹内栖鳳邸跡” と刻まれた石碑が立っている。

門を潜ると、そこから更に奥へ奥へと緩やかな傾斜を持った石畳のアプローチが続く。

Who's “竹内栖鳳” ?

竹内栖鳳せいほう は幕末の1864年(元治元年)に京都に生まれ、明治・大正・昭和にわたって活躍した日本画家。 栖鳳が動物を描けば、その匂いまで描くといわれた稀代の巨匠です。

班猫はんびょう 1924年(大正13年) 栖鳳

出典:wikipwdia

「東の大観、西の栖鳳」。京都ゆかりの竹内栖鳳は近代日本画を代表する画家として、横山大観と並び そう称されてきました。多くの弟子のなかには、の 橋本関雪 も名を連ねています。

竹内栖鳳は、二条城付近の 御池通油小路西入ルにあった「亀政」という川魚料理店の長男として生まれ、その生涯の大半を京都を拠点として活動し、数多くの名画を世に残します。

魚肥山果熟 1925年(大正14年)栖鳳

出典:pinterest

昭和4年に建てられた 東山艸堂そうどう は、竹内栖鳳が晩年の13年を過ごした住居兼アトリエです。

生活空間と別荘空間を折衷したという邸宅は、1,300坪の敷地に175坪という桁外れな大きさであり、その規模から建築主の偉大さが伺える。

艸堂そうどう は 栖鳳の住居やアトリエとしてだけではなく、作品のモチーフになる草花や動物をここで育てたり、各界の著名人が集まる文化芸術交流の場として幅広く活用されていたという。

THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO

“ザ・ソウドウ・ヒガシヤマ” は、大家、竹内栖鳳の没後、手付かずのまま永らく時を刻み続けていた、旧栖鳳邸 “艸堂” をリノベーションして、イタリアンレストラン&ウェディングスペースに 用途変更コンバージョン したもの。

175坪の家屋と緑豊かな庭園には、隅々にわたって栖鳳の美意識が宿り、レストラン・結婚式場として生まれ変わった今も、その空間は美しく受け継がれています。

THE SODOH HIGASHIYAMA

昭和初期に建てられた往時の趣きを残しながら、現代風の建築と融合させた “非日常的" な空間が実に心地良かった。

吹き抜けの大梁には、創建当時に大工棟梁が記したであろう継手の木組み番号がそのまま残っていたりします。

この素晴らしいローケーションで、京都の新鮮な旬の食材を使ったイタリアンのコースランチが気軽に愉しめるのは嬉しい。

THE SODOH HIGASHIYAMA を運営する会社は「100年先も愛される店」をコンセプトに掲げ、料理は「いつの時代も愛される味」を基本としているとの事。 今回は一番人気のランチコースを頂きました。

THE SODOH HIGASHIYAMA

予約時にお願いして、窓際の席をとって頂いたので、庭園の景色を眺めながらゆっくりと食事を愉しむ事ができました。 夜は庭園がライトアップされ、また昼間とは違った情緒が味わえる様です。

バンケットルームとして使われている “THE ATELIER” という名のホールは、栖鳳がアトリエとして、最も多くの時間を過ごした空間だといいます。


THE ATELIER「旧栖鳳アトリエ」

手が届きそうな距離に八坂の塔を望む、抜群のロケーションのこのアトリエも、格子窓や華やかなシャンデリアなど、昭和初期のインテリアは、栖鳳が過ごした当時のまま美しく保存されていた。

栖鳳の庭園

食事の後は庭園散策を…

抜群の立地と、広大な敷地の旧竹内栖鳳邸。 どうやら、栖鳳が活躍した明治から昭和初期にかけては、日本画の隆盛期とも言える時期で、日本画家として名を馳せた大家たちは経済的にもすこぶる豊かだった様です。

竹内栖鳳は 東山艸堂 の他にも、嵐山をのぞむ嵯峨の地に別邸 “霞中庵かちゅうあん” を営んでいます。また、橋本関雪 も銀閣寺にほど近い、白川疏水沿いに “白沙村荘はくさそんそう” を開きました。

当然、敷地内には豊かな庭園も造られるのですが、竹内栖鳳 や 橋本関雪 は庭園についても人任せにはせず、自らが指揮監督して作庭を行ったといわれています。

THE SODOH HIGASHIYAMA

現在の 東山艸堂 の庭園については、勿論の事ながらリノベーション時に手が加わっていると思いますが、 原型となる庭園構成や、東山を彩る美しい紅葉、建物越しに見る八坂の塔などの景観は、栖鳳が見たそれと変わらないのかも知れない。

THE SODOH HIGASHIYAMAのランチ予約

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今回行った場所

THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO

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